地理院地図の更新内容を知る方法

2017-02-19 追記

国土地理院の地図は、継続的に更新されています。現地が変わったり、表記の間違いを訂正したり、地図表記の基準が変わったり、いろいろな面での要因があります。ところが、どこが変わったのか分かる情報が常に提供されているわけではありません。そこで試験的に新旧の地図の比較を行ってみました。その結果と比較の方法について説明します。

1.比較結果

2017年1月に横須賀の地図が更新されました。隣接した浦賀、鎌倉、秋谷も手元のデータより新しくなっていたので最新版を購入。実際にどんなに変わっているか調べてみました。

実際に比較したのは、横須賀+鎌倉+浦賀+秋谷の以下のエリアです。比較した旧図は、横須賀では2016年6月のものです。以下の地図はいずれもクリックで拡大できます。

比較エリアの全体図



結果からいうと、細かい道路のランクの変更や、道路から階段への変更などの修正がありましたが、道路や建物の大規模な変化はなかったようです。地図表記の基準が変わったことによるものらしい変化は多くありました。①道路沿いの法面など等高線のみだったのが崖や土手様に変更、②川や海の淵の表記が変更、③地名や記号などの表示位置の変化など。

次の地図は新旧地図を比較した結果の差分で、違うところが赤で表示されています。この地図だと道路沿いや川沿いに違いが多いというのはわかりますが、詳しい違いは分かりにくい。そこで、より狭いエリアの例を挙げます。

比較エリアの差分地図


馬堀海岸の例

差分地図で道路や川の境界線だけが赤くなっているだけだと、実利用上の違いはない事が殆どですが、道路の本体が赤くなっているという事は、新設されたか廃止されたかと考えられるので、新旧地図を見てみました。結果は、都道府県道(黄色)かどうかの表記の違いでした。間違っていたのを訂正したのでしょうか。海岸の遊歩道エリアの歩道も変わってますが、実体とは旧図のほうがあっているようです。防波堤と見える部分の表示が消えており、航空写真によると、残っているようなので、これは表記の基準変更で消されたのかもしれません。

馬堀海岸の差分地図
馬堀海岸の新旧地図


衣笠インターの例

インターのあたりに赤くなっているところが多いので、新旧地図をみてみました。旧地図では、料金所が衝突必須というようになっていたのが、料金所に入るところで直角に曲がってるところも残ってますが、大分ましになりました。本線への合流部分は旧地図のほうが良かったようです。道路沿いの法面と思われる部分の表記に土手や崖様の表記がかなり使われているのは分かりやすくなっていると思います。南部にある住宅地内の遊歩道のような小道が消えています。ここの実態は不明です。某ロゲ準備で調べるかもしれません。

衣笠インターの差分地図
衣笠インターの新旧地図


北久里浜周辺の例

差分地図では随分赤いところが多いですが、川の縁の部分が多いようです。国道(赤)から南西に分かれている都道府県道(黄)があります。道の太さは旧図のほうが正確だと思いますが、密接した道との関係を分かりやすくするために、修正されたと思われます。明らかな誤記訂正と見れるのが、駅の東側にある住宅地から下る2本の道が「階段」表記に変わっています。野球場、東北&南西辺の小道が出来ています。

北久里浜の差分地図
北久里浜の新旧地図


2.差分地図の作成方法

今回の差分地図は国土基本情報(ベクトルデータ)から次のステップを踏んで作成した旧地図と新地図をImageMagickというソフトで作成しました。その手順の関係で、背景が黒になっている他、一般の1/25000地形図とは少し表示が異なっています。より一般的なやりかたとしては、電子地形図(画像データ)の旧地図と新地図から差分地図を作成することもできます。比較したい地図がPDF形式の場合は、PDF-Xchange-Editorというソフトで画像に変換することにより比較できます。

 国土基本情報GML形式データ(地図ベクトルデータ)
   ↓
 DKG2SVGプログラム
   ↓
 SVG形式データ
   ↓
 Inkscapeプログラム
   ↓
 png形式画像データ(地図画像データ)

ImageMagickは画像ユーティリティでフリーで入手できます。これをインストールし、次のようにコマンドプロンプトでコマンドを打つと差分画像を作成できます。

 compare -metric AE 旧地図画像ファイル名 新地図画像ファイル名 差分地図ファイル名 


 
 
 


(2017-02-19 追記)

横須賀、浦賀、鎌倉、秋谷のエリアで新旧地図を比較したら、(1)主に横浜横須賀道路沿いに崖表記が大量に増えた、(2)川の縁がコンクリート護岸だったのが消えている部分が大量にある、という結果になりました。

ロゲイニングをしている人ならばわかるでしょうが、細かいレベルの道が地図になかったり、地図にある道がなかったり、道のランクが違っていたりというのは良くあり、それが改訂時に修正されるのは良くわかる話です。しかし、今回のような土崖や護岸表記が大量に変更されるというのは考えにくいので、おそらく表記基準が変更されたのだろうと思い、国土地理院に質問したところ、そうではなく、通常の表記基準に合わないところを適宜修正しているとの話。

横浜横須賀道路が衣笠まで開通したのが1984年なのに、なんで今頃修正なの?と、狐につままれた気分になりました。なんとも不可解。

そこで、更に古い地図データも持っていたので、浦賀の数値地図(地図画像)平成22年版もひっぱりだして同じ場所を見てみました。すると、なんとそこには、今回修正されて入った土崖は殆ど入っているし、護岸も土崖の表記になっているところが多いではないですか!

衣笠インターの例(2)

2010年の地図(電子国土以前)と2016年、2017年の電子国土ベースの地図(国土地理院の電子国土ビューワで表示したもの)を比べました。2010年の地図には土崖が多数記載されていたのに2016年の地図ではなく、2017年の地図でほぼ復活しました。まだ、いくらか足りない感じもします。

衣笠ICの新旧地図


長沢付近の海岸の例(2)

2010年の地図には川沿い海沿いに土崖が多数記載されていたのに2016年の地図ではなく、川は単純なコンクリート護岸に変わっており、2017年の地図ではコンクリート護岸が削除されました。実体はどうなっているのでしょう?そして地図はどう変わっていくのだろう?

長沢付近海岸の新旧地図


ここからは推測(また外れかも)ですが、電子国土ベースに地形図が移行する際に、骨格ともいえる等高線や道路・鉄道などはしっかり移行されたが、土崖や護岸は移行できなかったものが多くあった。道路情報は電子国土ベース地図で各段に詳しくなったが、土崖や護岸の情報は電子国土以前のレベルを追いかけているのでしょう。追っかけ達成率はどの程度なのか気になります。これらの作業、かなり手作業が多いのかもしれません。お疲れ様です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です