ルポ児童相談所(大久保真紀)

時々おきる虐待事件、最近もとても痛ましい報道がありました。そんな時に新聞の読書欄に紹介されていたのが、この本。

考えるだけでも児童相談所というのは、大変な仕事だと思っていたが、実際におきているケースを西日本の実際の相談所のルポという形で紹介している。
一時保護に入るときは、急な動きに対応できるようハイヒールを履いてこないとか、場合によっては向かった先で親に包丁を向けられることなどもあるという。

児童相談所とひとことで言っても、実際は相談所だけでなく、自治体があり、一時保護所があり、保育園、幼稚園、学校、保健所、警察などとの連携プレイで動いている。親の了解がなくてもできる職権保護では、家裁の判断を仰がなくてはならないなど更に関係者が増える。

2016年度の虐待相談件数は12万件を超え、10年で約3.3倍になったが、児童福祉司の配置人数は薬1.4倍の増加だそうだ。一時保護を担当する職員が対応するケースの数が70件程度あり、国全体をみると100件をこえる事も珍しくないそうだ。これに対し、英米カナダなどでは20件程度で予算も大幅に違うとの事。

予算を増やし人を増やすのは当然としても、人的スキルに関わる仕事なので、時間がかかる。周りの一般人ができる事は少なく、まどろっこさを感じてしまう。緊急の場合に一時保護するだけでなく、そうする必要が起きないように家族を社会が支えていけるようになることが必要なのだろう。

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