維新をめぐる言葉の放浪

日本維新の会がきっかけで話題になった、維新の英語が restoration=復古 である件。発端の政治のことはおいといて、なんで維新がrestorationなのか不思議に思ったので、ちょっと調べてみました。

なんで不思議に思ったかですが、「維新」と言えば、自分はその文字のとおり新しい時代を創っていったものと捉えているからです。自分だけでなく多くの日本人がそう捉えているのではないかと思うのですがどうなんでしょう?確かに政治体制は大政奉還があった訳なので、その面で復古なのですが、復古だけではなんとも違和感があります。

インターネットで検索してみると、どこをみても restoration。Japanknowledgeという辞書・事典の有料サービスで調べてみてもやはりrestoration。そこで更に昔に遡って調べられないものか国会図書館(National Diet Library)のサイトにあたった所、明治時代発行の辞書を画像でみれる事が分かりました。明治30年12月出版の大倉書店の高野岩三郎他の和英辞典によるとやはり「restoration」。明治44年11月出版の三省堂の井上十吉編の新訳和英辞典によると「The Restoration(復古)、renovation(革新)」とあります。やっと出会ったという感じたのですが、前者がTheがついて大文字で始まっているところをみると、歴史上の事件としてはやはりrestorationのようです。なお、この後三省堂のサイト内検索をしたところ三省堂の和英辞典は現在もこれを踏襲しているのが判りました。

明治時代の人にとっても復古だけではなかったと思うのですが、なんでこういう英訳になったのでしょう。ロシア革命より前の時代なので、革命という言葉に近いものを嫌ったわけではないと思うのですが、不思議です。

産業革命が Industrial Revolutionである事を考えれば、Revolutionが共産革命に限定されるものでもないと判るし、明治維新も Meiji Revolution や Meiji Renovation のほうが自分の印象に近いと感じます。

ここから更に寄り道。renovationと聞くと中古マンション用語というのが自分の印象です。新訳和英辞典では括弧書きで革新と入ってたのですがそういう印象ありません。で、renovateをoxfordで引いてみると「restore to good condition or vigour, repair.」なんと、restoreが出てきてしまいました。どちらかというと初期化(iPSじゃないですが)的な意味のようです。innovationつながりで革新なのだろうか?(公益社団)日本冷凍空調学会というところでみると「リノベーションは,新 しい概念による建物の再構築,建物価値を高める,建物性能の向上といったことに重点を置いていることが前者との違いである」と革新に近いものとしてるようです。

ところで三省堂って自前サイト限定でのコンテンツ公開というのは、昭文社と似てますね。

さらに横道にそれて何で国会=dietなんだろうと疑問が増殖してしまいましたが、とりあえず今回の放浪はここで終了。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です