森林を学ぼう!!2ー

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このページには元の文には入っている図が抜けていますので、わかりにくいと
思います。しばらくお待ちください。
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普段何気なく走っている森林には
私達の生活に欠かせない、いろんな機能があるんです
そこで
先月第一回を掲載しましたが、今月は森林を整備する役割を担っている林業について、解説していきたいと思います。
『林業』って何だろう?
農業や林業というのは、簡単に言ってしまえば、「植生遷移の人為的なコントロールである」ということができます。農業では、一年生の草本植物が主な生産物になるので、多年生草本や低木林に移行しないように、初期段階で遷移をストップさせることが「技術」となるのです。これに対して林業では、遷移の最終段階である高木林を作り上げることが目標となるものの、自然の遷移に任せていては何百年もかかってしまうので、遷移をショートカットさせることが「技術」となります。
それでは、具体的にどの様な作業が行われるのか見てみましょう。
First step『植裁』
    【目 的】 林業は、まず伐採跡地や裸地に苗木を植えることから事は始まります。種子からではなく、自然条件を考慮し、苗木を植裁します。植え付けても植栽した苗木を活着させるだけでなく、雑草木との競合に負けずに順調に生育させる為には植栽効率を考えつつ、できるだけ丁寧に植栽する事が大切です。
    【方 法】 伐採後の枝や切り株を整理し、植栽環境を整えて(地ごしらえ)、造林木の成長を助けるために周囲の下草を刈り払ってから、苗木を植裁します。
    【具体例】 例えば、針葉樹の一斉林の場合は、ha当たり3,000本程度が標準的な植栽密度ですが、積雪地ではやや少な目で、雪が少なく、優良材の生産を目的とする地域では4,000本から5,000本と多くなります。
【傾斜地での植裁手順】
?地被物を表土まで取り除く
?植穴を中央より下側に掘る
?覆土を上方から崩して植える
?地被物をかぶせて平らにする
Second step『下刈り』
    【目 的】 土壌に根を下ろした苗木は生長を始めますが、一般に雑草や雑木の生長はこれを上回るために、夏までには苗木が雑草木に覆われてしまいます。植物は太陽の光を受けて生長するので、雑草などに覆われると苗木は生長することが出来なくなります。また、苗の周囲が覆われることによって風通しが悪くなると、夏の高温多湿のために苗木が腐ってしまったりすることもあります。苗木に対する、こうした様々な悪影響を排除し、苗木の生長を促す作業が「下刈り(下草刈り)」です。
    【時 期】 多年草の雑草は生長の初期段階では前の年に蓄えた栄養で生長し、気温の上昇とともに前年の栄養で生長をはじめ、さらに生長の為に蓄えを始めます。その為、6月頃に前年に蓄えた栄養を使い切った時に下刈りを行うと効果的です。また,8月頃にもう一度下刈りを行うとさらに効果的です。
    【具体例】 スギやヒノキの植林地の場合、下刈りは植栽してから34年間は6月頃と8月頃に二度“下刈り”を行い、78年間は年に一度“下刈り”を行うのが一般的です。
【下刈りの有無と植裁木の生長】
五年目
  
〈下刈りなし〉          〈下刈りあり〉
Third Step『枝打ち』
    【目 的】 枝打ちとは,枯れ枝やある高さのまでの枝を,その付け根付近から除去する作業です。枝打ちは大きく分けて次の3つの目的を持って行われます。
?. 節のない木材(無節の優良材)を生産する。〈主目的〉
?. 林内の風通しと明るさを確保し、下層植生の成長を促す。
?. 林内に林業作業やレクリエーション等の空間を確保する。
    【時 期】 新緑から梅雨明け頃までの樹木の生長が盛んな時期は、幹に傷が付きやすいうえに、傷が大きく広がってしまう時期なので枝打ちは行いません。また、冬季は樹木の生長が休止し傷が付きにくい時期ですが、厳冬期は枝も堅くなるうえに作業する人間も指先がかじかむなど怪我をしやすく効率も低下するので、枝打ちの適期としては早春の新芽の吹き出す前と、紅葉の始まる頃から雪の降る前までの時期となります。
    【方 法】 枝打ち作業では、樹木に傷が付くとそこから内側に向かって変色が生じて樹木の経済的価値を下げるばかりか、病虫害の原因ともなり樹木自体を枯らしてしまうことにもなりかねません。切断位置や角度だけでなく、切断面の形状などまで気配りが必要で、非常に技術が必要な作業といえます。
    【具体例】 一般に、無節の柱材をつくる場合には、10.5cm角では枝下直径が67cmになるまでに、12cm角の場合は89cmになるまでに枝打ちを済ませておく必要があります。一回の枝打ちでは、幹の長さで1.52mの範囲で行います。適切な作業を行わないと、生長が阻害されてしてしまいます。
Fourth Step『除間伐』
    【目 的】 「除伐」は、目的とする樹種以外の樹木や目的樹種であっても形質の著しく劣る立木を林分内から除去する作業です。
「間伐」は林分内の目的樹種を間引く作業です。
この「除伐」と「間伐」を併せて「除間伐」といいます。除間伐は大きく分けて次の目的に行われます。
?. 林内の立木密度を適正に保ち、風通しと明るさを確保する
?. 目的樹種以外の樹木を除去し目的樹種の生育を助ける
?. 利用(販売)可能な立木を抜き切りする
?. 林内に林業作業やレクリエーションのための空間を確保する
    【方 法】 「どれくらいの割合で間伐するか」と、「主伐までに何回間伐するか」は地域や樹種、目的とする将来の林分の姿によって様々な形態をとり一概にいうことはできません。
例えば、一般に日本家屋に用いられる材は年輪幅の狭いものが好まれますが、年輪幅が狭いということは成長が遅いということなので、こういった材の生産を目的とする場合はなるべく密植して間伐も少しずつ何回にもわたって行い、間伐対象木も樹幹がまっすぐなものを残すことになります。
    【具体例】 建築用材の生産を目的として1ha当り3000本植栽されたスギの場合
〔第1回〕15年生頃に、形質の悪い木を優先的に、全体の3035%を間引き1haあたり2000本程度の林分をつくります。〈切り捨て間伐〉
〔第2回〕25年生頃、利用径級に達した木と形質の悪い木を伐ります。平均胸高直径が17cmぐらいになった頃には柱材の収穫が期待できますので収入間伐となります(第1回目の間伐が適正に行われた場合)。ここでも3035%の間伐を行い1haあたり10001500本程度の林分をつくります。
〔第3回〕 一本の立木が心持ちの柱材を2本(2玉:フタタマ)とれる樹高に達した頃に行います。ここでさらに3540%の間伐を行い、1haあたり800本くらいの林分をつくります。
〔第4回以降〕 大径木の生産を目的とする場合のみに行い、最終的に1haあたり300本程度の林分をつくる事もあります。
Final Step『主伐』
    【内 容】 以上の様に、気は長い年月をかけて成長し、様々な過程を経てようやく木材として伐採される時期を迎えます。一般に杉の人工林だと4045年もの年月を有します。
    【方 法】 伐倒作業は、木を傷つけないように、また次の工程である造材や集材作業がやりやすいように行わなければなりません。立木を倒す場合、?周辺地形、?障害物の有無(周辺木の樹冠etc)、?立木の傾き、?風の方向、等を考慮しなくてはなりません。
倒す方向が決まれば、その方向に合わせて正確に「受け口」を作ります。受け口の深さは材の直径の1/41/3ぐらいが適当で、受け口の斜めに切り込んだ位置が、「追い口」の面と一致するようにします。追い口は下図のように切り進めていけば立木は伐倒されます。
造材/集材/搬出
しかし、更にここから木は造材・集材され、製材工場などへ運搬されます。これには機械力に頼らざるを得ず、それには林道の整備は必要不可欠です。次頁に高性能林業機械の作業システムの例を掲載します。この様に、木材生産には、非常に多くの力が必要になってくるのです。
この様に長い年月と労力/費用が必要になってくる林業も、現在は採算性の問題で衰退していき、年々森林荒廃が進んでしまっています。そこで、次回は林業を取り巻く環境などを踏まえて、今後の林業について解説していきます。オリエンテーリング経験者として、そして日本国民として、私達にとって無くてはならない森林について一緒に考えていきましょう。
おまけ
Internetを使って森林の理解を深めよう!!
『緑のリンク集』
 http://www.iijnet.or.jp/green/abs4.html
 ;森林・林業関係のリンク集です。
『森林づくりボランティア活動情報一覧』
 http://www.iijnet.or.jp/green/volunteer/index.html
 ;森林育林体験ができる様々なイベントを紹介しています。地域ごとに掲載されているので、夏休み中にでも是非一回くらい体験してみませんか?
『地球にやさしい森のめぐみ』
http://tech.ed.gifu-u.ac.jp/people/imai/syuron/index.html
;森の大切さをオリエンテーリング(と案内には書いてありました)の感覚で読み進めるページです。ただ、画像が多いのでちょっと時間がかかりますが、ご了承下さい。
『フィトンチッド普及センター』
 http://www.iijnet.or.jp/phyton/
 ;森林浴の効果の正体の“フィトンチッド”について詳しく書いてあります。
『森の贈り物』
 http://www.wnn.or.jp/wnn-f/
 ;森林浴や木材の効用について詳しく掲載してあります。