森林を学ぼう!!インカレガイド

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このページには元の文には入っている図が抜けていますので、わかりにくいと
思います。しばらくお待ちください。
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普段何気なく走っている森林には
私達の生活に欠かせない、
様々な機能があるんです
そこで
 「森林って、何でそんなに大事なの?」って、ふと疑問に思った事ありませんか?
「何か大事そうなのは分かるけど、よくわからないよー」という人が多いと思います。そこで、インカレショートが未だに美林が広がる日光で行われるという事で、この機会にオリエンテーリングで使われる森林がどの様につくられているかを、簡単にみていきましょう。
テーマ;森林は宝の山!?
神奈川県の唯一の村“清川村”にあるオリエンテーリング用『清川宝の山』。地形は急峻ですが、手入れの行き届いた綺麗な林が広がる良質なテレインです。
しかし、なんでまた“宝”なんでしょうか? まさか「竹林の中に百万円が落ちている」なんて事ないし・・・
では何で“森林”が“宝”なんでしょうか・・・
? 森は木こりさんの苦労の賜物なのだ
  綺麗な人工林を作り上げて行くには、様々な育林作業が必要となってきます。これには、?植裁;木を植える、?下刈り;下草や低木を刈る、?枝打ち;下の方の枯枝を落とす、?除間伐;非目的樹種や劣性木を伐る、等があります。これらの作業は人工林では必ず必要で、立派な森林が出来上がるまでの約40年で、1ha(ヘクタール;100m×100m)当たり、職人さんが頑張っても、約100日150日かかると言われています。なお、この日数の幅は、傾斜の緩急(傾斜が急だと機械化が難しい上に、作業は大変!!)・気候等によって左右されます。
さて、これだけ言われてもイマイチピンと来ないと思うので、実際にオリエンテーリングのテレインで具体的に調べてみましょう。
右上図をご覧下さい。すると、なんと1200万円!! もお金をかけて、ようやく『雨降山物語』のテレインの森が出来ているんですねぇ。富士山麓の他のテレインも考えると、『白糸の瀧』『奇跡の森』『七色石』・・・と全部数えてみると、とんでもない金額が出てきてしまいますね。しかも、これに更に林道を造ったり機械を購入したりする費用を計上しなくてはいけないんですよねー。
これでは“宝の山”と言われるのも当然ですよね。
《例》富士山麓『雨降山物語』の場合 
→ テレイン面積は、大雑把に計算すると、〔約4km×1.5km〕あります(民家の敷地・耕作地を除く)。ということは・・・
【 作業面積;4km × 1.5km = 600ha 】
ですので、かかっている費用は【職人さんの日当;20、000円】としても、単純計算では
【 費用;600ha × 20,000円 = 12,000,000円 】
オリエンテーリングで使われる森林には天然林がほとんどないので、全国各地で見られる手入れの行き届いている森は、全て同じくらいお金がかかっているのです。今年のインカレ開催地の「日光」は富士に比べて傾斜が急ですから作業も困難を極めるので、もっとお金がかかっているんです。
いやぁー、それにしても、何十年も苦労して手入れしてきてくれて、スーパーAの林を作り上げてくれている林業家の皆さんに感謝感謝ですね。最近は富士山麓とかでもちょこちょこ木こりのおじさんに出会いますが、本当に心から感謝しなくてはいけませんね。
あ、でも“木を売るんだから元を取れるんじゃないの?”とか思いませんでしたか?
そうなんです。木材価格が高ければもちろん元を取れるんですが、残念ながら現在では外国産材に押されまくって、とてもじゃないですが「伐採」して「運搬」してたらもうお金はあまり残らなくなってしまうんです・・・
さて、ここでも日光地区(日光・今市・藤原・足尾)の材木販売の現状を具体的に見てみましょう(資料提供;日光地区森林組合)。
【スギ小丸太(1318cm)の場合】
【支出】
    伐木造材・搬出費(m3) 7000円
    輸送費(m3)      2200円
    諸経費(m3)      1200円
    販売経費(m3)     2500円
    支出合計(m3)    12900円
【収入】
    素材価格(m3)    17600円
    収入合計(m3)    17600円
 【収支】
    収入合計        17600円
   ― 支出合計        12900円
    収支           4700円
この様に、1m3当たりで4700円しか収益を得ることが出来ません。40年間もかけて育てたにもかかわらず、これしか収益を得ることが出来ないのです。しかも、なんとこれには、育林作業に要した労働に対する人件費・機材購入費・林道等の建設費は一切含まれていないのです。
とてもこれでは、林業で生計を立てていくのは不可能に近く、生業として成り立たなくなっている現状も理解できますよね。
日本のOL発祥地;埼玉県飯能市で林業やってる林業家は、
「伐採しても、トラックをチャーターしたり人を雇ったらもう赤字。今では林業も“商売”にならなくって、いわば“趣味”みたいなもんだよ、、、」
とぼやいてました。人を雇ったらもう赤字。今や林業も大変なんです。今までと同じ様に、林業家の人だけに森林整備を任せている限り、森林荒廃は当然の結果であり続けるのでしょうね・・・
? 森にはいろんなものが隠れてるのだ
森林には様々な動物や植物があるのは皆さんご存じだと思います。では、具体的にどんなものがあるか知ってますか?
 建築材や家具としての“木材”だけでなく、椎茸やシメジ等の“きのこ”、タケノコやゼンマイ等の“山菜”、クルミや栗等の“樹実”の食用のもの、ウルシやツバキ等の“樹脂”、木炭や薪等の“燃料”etc・・・ と多種多様で非常にバラエティーに富んだものがあるんです。 もちろん最近では人工栽培等が発達しましたが、何と言っても“天然”の山菜やきのこの味は格別ですよね。旬の山の幸を食する。うん、幸せっ!
 もちろん、昆虫や動物も鳥も盛りだくさんっ。すてきな蝶や、どこかの番組で“28cmを超えると1000万円”と噂になったオオクワガタだっていっぱいいるし、猪・鹿だってたくさんいる。何たって森は立派な生態系を築きあげているんだから、なんでもいるんですよね。
 この様に、いろんな動物・植物がたくさんいるんだから、森林は『動植物の宝庫』。これまた“宝の山”って言われるのも納得納得っ。
? 森は地球を守ってるのだ
よく“緑を守ろう”って事を耳にしますが、“緑”、つまり森林を守ると、どういう効果があるんでしょう?
“保安林制度”というものを耳にした事があるかと思いますが、これは人間の生活環境に役立つ機能の保全や充実する為に設けられている制度です。これには、水源涵養、土砂崩壊・流出防備、風害・潮害防備、保健・休養、風致等があります。ここでは、森林の公益的機能の代表例を2つ見てみましょう!!
《例1》森林はダムの役割を果たしてる
って言われてもピンとこない人が多いはず。なので、グラフを描いてみました。山には雨が大量の雨が降っている筈なのに、一気に雨水は流れて来ないですよね。これが森の持つ機能なんです。
グラフを見ると分かるように、(a)森林がないと、あっと言う間に雨水流れ出てしまいます。それに対し、(b)森林があると、ゆっくり水は流れ出し、長時間流し続けます。これが乾期の渇水時に役立ったりするのです。
《例2》森林は土砂災害を止めている
これも同じように表を見てみると、一目瞭然です。この表は、1年間に表面の土砂がどの位流れ出るかを表にしたものです。  
〔森林〕では1年間に0.1mmと流出量は皆無に近い状態ですが、これは土砂は微量ながら流出しますが、その一方で落葉落枝が分解される事によって均衡を保っている、と言っても良いのでしょう。しかし、〔草地〕〔畑〕〔水田〕の順に多くなり、なんと〔裸地〕では森林の1040倍もの土砂が流出すると言われています。
もし、森林が無くなったらどうなってしまうのでしょう? 大量の土砂が山林から流れ出し、河床を埋めつくし、都市部の河川は大氾濫を起こしてしまいます。中国の長江で起きた大洪水はこれが一因でした。日本の山は非常に急峻ですので、これが日本で起こると、うーん、考えるだけでおぞましい・・・
? 森はとってもすごいのだ
機能の種類評価額(億円)
水資源かん養42,600 
土砂流出防止79,800 
土砂崩壊防止1,800 
保健休養76,700 
野生鳥獣保護6,900 
酸素供給・大気浄化184,200 
合 計392,000 
?で書いたような、森林の公益的機能をまとめてみると、右図のようになるんです。これらの機能は、いずれも私達人類にとっては欠かすことができないものであり、単純にお金では表しきれないのですが、林野庁が平成三年に算出した金額がこちらです。環境財はえてして市場原理に組み込まれ難いですが、トータルで“39兆2000億円” という莫大な金額を、あなたはどう捉え、考えますか? 
是非みなさんも、オリエンテーリングの競技場である“森林”をもっと知り、森林に優しいオリエンティアになって下さいね!!
おまけ
Internetを使って
森林の理解を深めよう!!
『森林づくりボランティア活動情報』   http://www.iijnet.or.jp/green/volunteer/index.html
;森林育林体験ができる様々なイベントを紹介しています。地域ごとに掲載されているので、全国各地の情報が手に入ります。是非一回くらい体験してみませんか?
『もりもりパーク』   http://www.mnet.ne.jp/~mitsugi/
;桜の花や松林の観察やきのこの紹介から「都道府県の木・花」、クイズ「木になる漢字」など盛りだくさん。楽しんで森のことが学べます。
『ぽんぽこたぬきの森と水クイズ』 http://www.geocities.co.jp/Technopolis/3816/index1.html
;ぽこぽんたぬきが森と水の世界をクイズで案内します。森林の機能と水の関係について、クイズ形式で楽しんで学んでいけます。詳しい説明もありますよ。ぽんぽこたぬきが可愛いですっ。
『紀州 備長炭博物館』 http://www.iip.co.jp/minabegawa/sumialfa.html
;“炭”にはいろんなパワーが潜んでいます。飯ごう炊さんやキャンプで欠かせない燃料になるだけでなく、畑や花壇の土壌改良材や空気清浄・吸湿などの湿度調節機能など様々な効果があるのです。これら説明を綺麗な画像と共にお届けします。
『山と渓ときのこと酒と』 http://www.kumagaya.or.jp/~yasutani/
;「山の恵・果実酒の世界」「山の不思議・キノコの世界」「山の渓だより」と興味深い内容が盛りだくさん。果実酒は是非ともお試しあれ。
『森の贈り物』       http://www.wnn.or.jp/wnn-f/
;NTTがおくる環境問題を考えるコーナー。「1999. 日本の紅葉最前線」「森林浴の森100選」「木の家の秘密」等内容もバラエティーに富んでなかなかお勧め。
『フィトンチッド普及センター』 http://www.iijnet.or.jp/phyton/
;森林浴の効果の正体“フィトンチッド”について詳しく紹介してあります。これで、“なぜ森に入ると気持ちが良くなるのか?”という疑問が解けますよ。
“森林”と“オリエンティア”との関係を考えてみませんか?  一緒に考えていく方、募集しています。
  →  までご一報下さい!!