4号

■OFORUM向けIOF総会報告
■「世界選手権には夢がある(落合公也:2005年世界選手権誘致発起人会)
■IOF総会に出席して(村越 真)
■マイナースポーツであることの自覚と誇りを!(村越 真)
■全国一斉オリエンテーリング大会のためのノウハウのアーカイブを作ろう!(村越
 真)
■O-Forumについて(再掲)
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 O-ForumはOL界へ情報を発信し、問題や将来を議論するためのミニコミ誌です。静
岡県オリエンテーリング協会の協力で、全国都道府県協会、JOA役員にも送付されて
います。
■世界選手権には夢がある
                       2005年世界選手権誘致発起人会 
落合公也
 日本でオリエンテーリングが始まったころ,本場の大会を体験するとともに地図作
成,大会運営の技術を学びにヨーロッパへ多くの人が遠征していった.帰国した彼ら
は,日本では見ることもないきれいな地図をお土産にくれて,数万人が集まり会場に
臨時の街が出現する大規模大会の模様を熱く語ってくれた.その話を聞かされた子供
にとっては想像をかきたてるのに十分であった.いつか外国の大会を走ってみたい.
夢がどんどんふくらんでいった.
 外国の大会のなかでも世界選手権は格別だった.杉山隆司氏によって開かれた道は
個人26位という輝かしい記録で始まった.社会の狭い子供にとって大きな世界がすぐ
そこに身近に感じられるところにあった.他の子供にはないとても貴重な体験だった
ことは間違いない.大きな大人を見上げるまんまるな瞳は夢と希望に満ち溢れていた
.選手にとってもこれ以上の夢舞台はない.2年に1度の世界選手権を目指してベスト
を尽くさんと世界中のオリエンティアが集まってくる.選手にとっても特別な大会と
なっている.これまでにも数々の名勝負が繰り広げられてきた.
 日本においての開催は長らく夢のままであった.これまでにも開催の検討がなされ
てきたが,様々な障害のために実現に至らなかった.ところがいまチャンスが来た.
愛知県では2005年に瀬戸市を会場とした国際博覧会(万博)を計画している.そのテー
マを「新しい地球創造:自然の叡智」として,「伝統の中に息づいてきた自然の叡智
を探求し,人と自然とが共存する来るべき時代の地球文明」の提案を目指している.
会場には「自然との共生」を創出したまちづくりがおこなわれることになっている.
この「自然との共生」を意識した国際博覧会の開催が決まって以来,愛知県内のオリ
エンティア有志で国際博覧会の開催にあわせた大会の開催を検討してきた.そして国
際博覧会にあわせてなだけに国際大会がふさわしい,国際大会のなかでも「世界一を
決める大会」であれば一般にも開催目的がわかりやすくニュース性の可能性もあり,
オリエンテーリングをアピールするにはこれ以上のものはないということで「世界選
手権」の開催を目指すこととした.
 国際博覧会のテーマは最近の世界的な環境問題を意識したものである.道路や建物
をつくるときや,イベントを開催するときには避けてとおれない問題である.長野冬
季オリンピックのスキー滑降競技で環境問題からコースが開催直前まで決まらなかっ
たことは記憶に新しい.このような情勢のなかでオリエンテーリングだけが環境問題
に無関係ではいられない.他のスポーツと違って,競技をするにあたって地形の改変
の一切ないオリエンテーリングといえども,自然の中でおこなうのだからいっそう環
境に対しての配慮が必要である. 2001年のフィンランドの世界選手権は世界野生動
物基金(WWF)と協力して開催することとなっている.国際オリエンテーリング連盟
(IOF)でもオリエンテーリングを「環境にやさしいスポーツ」と宣伝している.
 世界選手権はオリエンテーリングを宣伝するこれ以上ない機会である.オリエンテ
ーリングは,日本における30年の時間をかけても,広く知られることはなかった.導
入当初は爆発的に一時的な愛好者を増やしたが,その後の競技者は横ばいか減少傾向
にあるマイナースポーツの代表である.テレビや新聞などのメディアで報道されるこ
とは極めて希である.そのためにオリエンテーリングという言葉自体をしらない国民
は少なくない.国際博覧会という国家的なイベントと同時にテーマに親和性のあるオ
リエンテーリングの世界選手権をおこなうことは報道の可能性を提供し,オリエンテ
ーリングを知ってもらうチャンスとなりうる. 
 せっかく日本で開催するのだから日本人選手の活躍は不可欠である.幸いにも
2000年にはワールドカップ(静岡),2001年にはワールドゲームズ(秋田)の開催が決定
しており,段階的な選手強化を図っていき,長期目標として2005年の世界選手権で好
成績を目指すには適当なスケジュールである.
 世界選手権開催へ向けてこの7月に第一歩を印した.世界選手権の開催のためには
5年前の1月末までに開催申請書を提出して,同年の夏のIOFコングレス(総会)で決定
される.ただ慣習として7年前のコングレスでは立候補の意思表明が必要になる.今
年がすでに7年前であり,7月にポルトガルで開催されたコングレスの場で立候補の意
思表明をおこなった.コングレス参加国の反応は上々であった.これまでに30年の歴
史がある世界選手権がヨーロッパ以外で開催されたことは85年のオーストラリアと
93年のアメリカだけであり,すでに決定している2003年までもヨーロッパでの開催が
続くので,そろそろヨーロッパ以外での開催が望まれているところであった.またオ
リンピック種目にすることを重要な課題としているIOFとしてはオリエンテーリング
がワールドワイドなスポーツであることを証明するためにも、世界選手権がヨーロッ
パばかりで開催されていることは望ましい状況ではない.いろいろな理由から日本に
期待をしている印象があった.
 なによりも世界は日本が十分に世界選手権の開催能力を持っていることを知ってい
る.日本人が海外遠征のときに持っていく地図は,その地形が急峻で植生がやぶくて
も,十分に国際的に通用する出来上がりであり,十分な地図作成能力を伝えている.
運営能力も1998年1月の菅平高原国際スキーO大会の成功で,日本にはIOFの国際大会
は運営できないのではないかという国際的な心配が完全に払拭された.
 コングレスでは問題も指摘された.日本での開催には選手に例年よりも多くの遠征
費の支出を強いることになり,経済的な問題を抱える国には望ましくないという意見
もあった.
 国際的な立候補は第一段階を終了したが,実は国内での調整が難航し誘致活動に支
障をきたしている.愛知県オリエンテーリング協会,日本オリエンテーリング協会
(JOA)内部の正式な意思決定がまだできていないのだ.愛知県協会の事務局は行政組
織のなかにあり,JOAから開催依頼があると動きやすくなるのだが,JOAとしては逆に
地元からの開催申請を受けてJOAの正式な活動とする考えである.この点が当面の最
大の問題となっている.資金面の問題も課題である.大口のスポンサーの獲得が不可
欠である.テレインの心配をする声がある.愛知県に世界選手権を開催できるテレイ
ンはあるのか.これまでの世界選手権と同じように十分な競技性を確保したテレイン
を用意できるのか.トレーニングキャンプを含めたテレインの量には問題があるが,
競技には足りるテレインが用意できると考えている.確かに斜面が急で大きく,テレ
イン全体に渡って走行可能度がよく縦横無尽に走れるわけではない.しかしながら,
やぶいからこそ斜面が急だからこそ日本で開催の価値があり,そのようなテレインで
も競技性を確保したコースを提供する力が日本にはある.新しい世界選手権を提案す
るテレインになるだろう.多様なテレインで速いことこそ真の世界チャンピオンであ
る.
 運営にあたっても新しい世界選手権を提案していけたらいいと思う.日本ならでは
の気配りのきいた運営,日本なればこそのアイデアを盛り込んでいきたい.
 抱えている問題は小さくないが,もう後にはひけない.今回のコングレスでは
2005年の世界選手権の開催を意思表明した国は日本だけであった.またいろいろな情
報を総合しても今後ほかの国が立候補をしてくる可能性はほとんどない.加えてコン
グレスでは日本への期待の大きさを感じた.コングレスの模様を伝えるIOF広報誌「
Orienteering World」では日本の意思表明を大きく記事にしている.全世界的すべて
のオリエンティアに日本が2005年に世界選手権を開催しようとしていることが伝えら
れた. 
 今回のコングレスの開かれたポルトガルは歴史上,日本が初めてかかわったヨーロ
ッパである.奇しくも首都リスボンではバスコ・ダ・ガマの東方航路発見500年を記
念した国際博覧会が開催されていた.100年の歴史を築いたオリエンテーリングに,
日本があらたなかかわりを持とうとした地がそのポルトガルであったことに運命を感
じている.
■IOF総会に出席して  静岡県オリエンテーリング協会理事 村越 真
 オリエンテーリングの国際組織であるIOFでは、2年に一度総会を開催する。これ
はその後2年間のIOFの活動方針や役員を決める他、将来への活動のプランが提示・
討論される、オリエンテーリングの最高の意志決定機関である。さらに、世界各国の
代表(その多くは現在でもアクティブに自分自身のオリエンテーリングを続けたり、
また直接的にオリエンテーリングの運営に関わっている)が集まり、公式・非公式に
意見の交換がなされるのである。世界のオリエンテーリングにとってもっとも重要な
場、それがIOF総会なのである。
 今年7月7日から12日にかけてポルトガルで開催されたIOF総会に日本代表と
して出席する機会を得たので、その模様を紹介する。この会議は以下の日程で行われ
たが、このうち私が参加したのは、9日から10日にかけての100周年記念オリエ
ンテーリング、セミナー、臨時総会、総会であった。
会期:7月7日12日
 7日:到着
 8日:理事会、各委員会
 9日:OL100年記念オリエンテーリング
    セミナー
10日:臨時総会、通常総会
11日:理事会、各委員会
12日:出発
 100年記念オリエンテーリングは、総会の会場となったホテルの近く、世界遺産
であるシントラの裏山で行われた。オリエンテーリングの発祥から100年たったこ
とを記念して、4つのステージでオリエンテーリングの発展を追体験しようという企
画だった。第一ステージは5万分の一地図が利用された。事前の情報をほとんど持た
ずスタートに着いた僕は、スタート後チェックカードを持っていないことに一瞬ひる
んだ。「もしかして・・・」そう思って競技を続けると、思った通りコントロールで
は役員が参加者のゼッケンをみて通過をチェックしていた。オリエンテーリング初期
の運営すたいるである。第二ステージでは2万5千分の一の地図を利用し、コントロ
ールはメタル製で通常のパンチ、また第三ステージは1万分の一のOMAPが利用
されていた。地図にない道が随所にある第二ステージで散々な目にあったあと第三ス
テージに到達すると、スタート脇にはSPORT IDENTの文字。「そうかこれでようやく
スポーツとして認められたってことか」と思ってよく見ると、それは第三ステージで
使う電子パンチの製造会社であるスポーツ・アイデントの横断幕であった。第四ステ
ージでは、地図はOCADに進化する。競技の内容がトレイルOであることも象徴
的であった。
 多くの選手が第二ステージで苦労し、ここで勝負が決した。現在のOMAPのあ
りがたさとスポーツとしてのOLの確立に果たした役割を身を持って体験できたとと
もに、100年の長さを感じた。
 この日の午後に行われたセミナーの目的は、総会で審議される事項について、総会
参加者のより深い理解を得ることであった。このセミナーで説明されたのは、1)オ
リンピック(五輪)プロジェクト、2)IOFの憲章の変更について、3)世界選手
権の開催基準についてであった。特に重要な議題は五輪プロジェクトである。
  五輪プロジェクトは、近い将来にオリエンテーリングが五輪種目入りするために必
要な活動をIOFが総力を挙げておこなうものである。理事会によって昨年秋に指名
された五輪プロジェクトグループによって、2回の会議が行われた結果策定されたア
クションプランが紹介された。その主要な内容は、以下のとおりである。
1)IOF加盟国数を五輪種目の基準である75に増やすこと
2)五輪に適した(メディアが取り上げやすい)種目を開発すること
3)オリエンテーリングの知名度を向上させること
 そのために、露出度を高める、メディアとのコミュニケーションを深める、NOC
やIOCとの関係強化、五輪大使の結成、環境政策を確立する、以上の目的のために
、IOFは各国連盟が関係機関にオリエンテーリングのプレゼンテーションをするた
めのパッケージを作成し配布する。
4)IOFと加盟国の組織を強化する
5)以上の五輪種目入りのための活動を、フット、スキー、トレイル、すべての面で
展開すること。
 五輪入りは、オリエンテーリング界全体の80年代からの目標であったが、オリエ
ンテーリング先進国であるノルウェーやスイスは必ずしもこの目標に対して積極的で
はない。ノルウェーは、スキーOが五輪入りすることに明確に反対の立場をとってい
た時期がある。現在でも反対している訳ではないが、より競技人口の多いフットを優
先すべきだと考えている。ノルウェー自身400人程度しかスキーオリエンティアが
いないことも大きな理由であろう。また、スイスは五輪入りの可能性を低く、五輪入
りを目標にすることに否定的である。ただし加盟国を増やすこと、メディアへの露出
を増やすことなど、五輪入りを目指すための活動内容には賛成している。結局翌日の
総会でも、ノルウェー、スイス、そしてロシアがこのアクションプランに対して保留
の白票を投じている。
 五輪種目入りはオリエンテーリングの発展など多くのものをもたらすだろう。だが
それによって失われるものがあることも忘れてはならない。少なくとも、オリエンテ
ーリングの持つ特長は五輪のために変化させる必要がある。メディア受けする競技形
式の開発はその一つである。パークOの展開に見られるように、それは悪い面ばかり
ではなく、むしろこれまでのオリエンテーリングの限界を打破してくれる可能性を提
供するかもしれない。しかし競争が激しくなれば、秘密保持が公平性の大きな鍵であ
るオリエンテーリングに疑惑は生まれやすくなる。この点は常に意識しなければなら
ない。。
 現在29のスポーツが五輪いりを狙っている。中には100以上の加盟国を持つス
ポーツもある。数値的な面からみれば五輪入りの可能性はあまり大きくない。種目が
ひしめいている夏の五輪では特に五輪入りは厳しい。しかし五輪入りを決めるのは数
値ではなく五輪運動に対して何を提供できるかであるというのが大方の見方である。
それは特殊なコネかもしれないし、メディア受けかもしれない。オリエンテーリング
の場合環境に優しいスポーツであるという特長は、サマランチIOC会長や五輪委員
たちにアピールする可能性があるだろう。
 次に五輪種目に関しての技術的な側面についての説明がなされた。種目に関しては
ミックスリレー(男女2人づつ計4人のリレー)と、優勝タイム40分程度の中距離
種目が予定されている。ミックスリレーは、他の種目にはない男女一緒でチームをつ
くる点、少ない人数でチームを増やせる点、用意するメダルの数が少なくていい点な
どが理由である。
 
 翌10日に行われた総会の主要な議題は、上で述べた五輪へのアクションプランの
他に、環境政策の承認、世界選手権関係、今後2年間のアクションプランなどである。
 オリエンテーリング自体、環境へのさまざまな影響を与え、土地所有者との問題を
抱えている国は多い。また五輪種目入りを目指してオリエンテーリングの特長を早期
にアピールする必要があることも、環境政策決定の理由であろう。
 世界選手権に関しては、新たな種目の登場にともない、世界選手権を開始する基準
をもうけるべきかどうかが話し合われた。この結果、実施国や地理的分布などの基準
を設けることが適当であるが、その運用はあまり厳格にすべきでないという意見も出
された。また新たに2002年のよりMTBの世界選手権を行うことが決定されたが
、トレイルOは時期早尚という意見が多く、次回総会へ持ち越しとなった。今後の世
界選手権の開催国として、フットでは2001年のスイスが、スキーでは2002年
のブルガリアが決定された。日本は2005年に向けて愛知が誘致の広報活動を行っ
た。開催の決定は5年前だが、通常7年前には立候補の意志表明が行われることが多
い。他の国からの意志表示はなく、日本が2005年の開催国として決定される可能
性はかなり高いものとなった。その他にフットにおいて、前回の世界チャンピオンを
特別枠で出場させるという提案がフィンランドからなされ、反対意見があったものの
、可決された。
 新加盟国の承認では、インド、モルダビア、台湾が準加盟国として承認された。こ
れによって加盟国は51となった。
■マイナースポーツであることの自覚と誇りを!    村越 真
 残念なことにオリエンテーリングはマイナースポーツである。五輪種目であるわけ
でもないし、ワールドカップにダフ屋から切符を買ってまで観戦しようという熱心な
ファンがいるわけでもない。確かに北欧では人気のスポーツだが、競技人口という点
では決して多いとは言えないし、北欧以外、とりわけヨーロッパ以外にはほとんど広
がっていないといっていい。国内的に見ても、知名度は低くはないが、スポーツとし
ての正しい姿が多くの人に理解してされているとは言えない。
 日本に限ってみれば、オリエンテーリングがマイナースポーツの地位に甘んじてい
る大きな理由の一つに広報や普及の努力の不足が挙げられる。一部に普及活動に熱心
な団体はあるが、多くのオリエンティアは、普及よりも自分たちの楽しみの追求を優
先させている。オリエンテーリングの場合、テレインの場所選定一つとっても両方の
目的はなかなか調和しないのである。
 努力で解決できない部分もある。オリエンテーリングは基本的に、メジャーになり
にくいスポーツなのである。特に日本ではそうだ。まず第一に競技している姿が人の
目に触れにくい。また観客にとって、オリエンテーリングはクロスカントリー以上の
独自の魅力を感じることのできないスポーツである。テレビに取り上げられようが上
げられまいが、オリエンテーリングには他のスポーツのように、見て・選手のプレー
がかっこよかったからやってみたいと思った、という普及の道筋は非常に細いのであ
る。加えてテレインの制約である。そして面倒な大会・練習会の準備である。さらに
、施設の建設も要らなければ高価な用具も必要ない。その点からも社会的に見て「旨
み」の少ないスポーツなのである。マイナーであることはほとんど宿命づけられたよ
うなものである。
 だが、オリエンテーリングをマイナーならしめている特徴は、同時にオリエンテー
リングの魅力でもあり、社会に対してアピールできる点でもある。大会や練習会の準
備・運営は現代における一種の「結」的な楽しみを作り出している。また一介の市民
、さらには子供たちでさえが他の市民たちと交流する場を作り出せる。このようなス
ポーツは他にはほとんど見当たらない。また旨みのないことで、商業主義の影響をほ
とんど受けていないとも言える。環境に対するインパクトのない点もオリエンテーリ
ングの長所である。
 人々にどんな体験を提供するかという点でもオリエンテーリングはユニークである
。どんな管理的なチームでも、レース中は選手が自分自身の力で問題を解決しなけれ
ばならない。初級者にとっては、一人で道の山の中に入って、決断・行動をするとい
うこと自体大きなチャレンジである。こうした体験は社会の中で得難くなっている。
 マイナーであり続けるということは、これらの特質も併せて残していくことにつな
がるし、メジャーを目指すことはそれらの特質のいくつかは失うことになるだろう。
もしそうだとして、本当にメジャーを目指すべきなのだろうか?またマイナーであり
つづけようとするときに、守っていかなければならないことはなんなのだろうか?私
たちは、日々の行動選択にあたって、「哲学的」である必要があろう。
 たとえば、IOFの五輪プロジェクトである。五輪入りを目指せば、失われるものは
多い。オリエンテーリングは容易にごまかしのできる競技である。事前に地図が手に
入れば、これは大きなアドバンテージだ。五輪入りし、競争が激化したとき、こうし
たスキャンダルを完全に回避できると自信を持って言える人がいるだろうか。五輪に
入ることは、メディアに扱いやすい競技形態を取るということだ。それがオリエンテ
ーリングの特質を損ねることはないだろうか。また五輪入りには、現在でも75以上
の加盟国があることという条件があり、この条件はどんどん釣り上がっている。現在
のIOFの加盟国は51である。加盟国の員数あわせのために、一種の「植民地主義」
がはびこらないとも限らない。
 来年度6月に行われる全国一斉オリエンテーリング大会にも、このような視点が欠
けている。その趣旨説明によれば「会員のあらたな負担を減らすため、気軽に利用で
きるパーマネントコースを利用した」旨の趣旨が書かれている。しかし現在のパーマ
は利用実態とマッチしていないからこそ人気がないのである。居住地からの遠さ、コ
ースの距離は、気軽に楽しむレクとしては不適切なものが多い。また地図やコースの
質も、「これがオリエンテーリングの楽しさだ」といえるような挑戦的かつ達成感を
提供するものだろうか?これを機会にオリエンテーリングの楽しさを味わい、またや
りたいと思うようなコースはおそらく少数であろう。マイナースポーツであることを
自覚するなら、決して負担を減らすことを全面に出した計画など立ててはいけないの
だ。誰もが楽しめ、適度な負担でできる活動は探せばあるのだ。そういう工夫にこそ
、アイデアを出し合うべきだろう。
 マイナーであることを自覚し、その上で50年後にも価値を持ちつづけるオリエン
テーリングの普及・発展を今こそ考えるべきだろう。
■全国一斉オリエンテーリング大会のためのノウハウのアーカイブを作ろう!(村越
 真)
 上の記事にあるように、来年6月に全国一斉オリエンテーリング大会が開催される
運びとなりました。JOAの基本方針はパーマネントコースを使ってということですが
、全ての県でパーマが普及・PRに最適の場所・方法とは思えません。このような危惧
は去る3月の全国協議会でも出されました。JOAがそのためのノウハウ・知識の提供
をしてくれると期待していましたが、こういうことを「お上」に頼るのも情けない話
ですね。そこで全国一斉オリエンテーリング大会のためのノウハウのアーカイブを、
ホームページとして作ることにしました。
 非オリエンティアを対象にした普及方法、大会開催方法などを地域のクラブや各協
会はそれぞれに少しづつ持っていると思います。それを集めて資料集を作ろうという
のが、このアーカイブのねらいです。全国一斉オリエンテーリング大会だけでなく、
今後の普及・PRにも使えるヒント・ノウハウ集になると思います。
 まずは、情報を集める必要があるので、皆さんからの情報提供のほうもお願いした
いと思います。
情報提供は:(Murakoshi Shin)まで
またアーカイブは http://www.ipcs.shizuoka.ac.jp/~ehsmura/の下に10月下旬よ
りオープンする予定です。
■OForumの活動について
1.OForumの目的
 OForumは、オリエンティア相互、オリエンティアと組織のコミュニケーシ
ョンの促進と、それを通した楽しみの機会の創造とオリエンテーリングの発展を目的
としています。またオリエンテーリングの特定領域について全国レベルで活動してい
るグループ(SQUAD、スキーO研究会、コンピュータマッピングの研究会等)の
情報支援なども考えています。これらの活動情報を多くの人に流したいと考えている
場合に積極的に利用してほしいと思っています。
 将来的には、オリエンテーリング界全体に必要なルールや組織についても議論ので
きる場を目指しています。
2.OForumの内容
 OForumは、年3回(4・8・12月)に発行を予定している他、年1・2
回程度の大会前日のフォーラムの開催を考えています。
3.OForumを購読
 二つの方法があります。一つは電子メールです。この場合購読料は無料です。購読
の申し込みは(村越真)へ。また郵政省メールによる購読の
場合は、住所を書き90円切手を張った封筒を、購読希望回数分だけ下記まで送付し
てください。封筒を頂いた回数だけ送付します。
4.OForumへの投稿
 フロッピーまたは、電子メール以外の投稿は受け付けません。プロッピーでは、M
SDOSのテキストファイルで、電子メールもテキストで、そのまま使える形で送
付して下さい。これらの条件を満たしていないものは掲載しないことがあります。投
稿内容は自由ですが、記事の内容には執筆者自身が責任を持ってください。
 なおOForumは、静岡県オリエンテーリング協会のご好意で、同県会報OL
静岡とともに、各都道府県協会とJOA事務局、理事会メンバーにも送付されます。
5.OForumの運営
 運営についてはまだ具体的には何も考えていません。当面の活動としてはOFo
rumの発行とフォーラムの開催です。こうしたOForumの趣旨に賛同される
呼掛け人を募っています。詳しくは村越まで。
OForum連絡先:
422清水市折戸1-20-11-31
   tel+fax:0543-34-9754
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