6号

               /tel:0543-34-9754 
■はじめに
  村越 真
■若葉台保育園のオリエンテーリング
  Sophia 倉部 淳
■岡崎オリエンテーリング協会における中高生へのPR活動
  岡崎オリエンテーリング協会 小野盛光
■トレイルO普及活動の状況 (報告)
                                                        日本トレイルO 研究
会    小山太郎
■インターハイと高校オリエンテーリングの実状
  第12回インターハイ実行委員会実行委員長  前田直毅
■ ジュニアオリエンティアの現状報告 多摩OL 太田宏樹(E-mail:)
■はじめに
  OForum 第6号をお届けします。今回は普及の事例やそれに関する話題を
集めてみました。この6月には全国規模での普及を目指して全国一斉オリエンテーリ
ング大会が開催されるとは言え、オリエンテーリング普及の動きはそれほど活発では
ありません。アウトドアスポーツの人気から考えれば、もっと愛好者が増えてもよさ
そうなものですが、逆にオリエンテーリングよりももっと手軽でおもしろいスポーツ
があるので、それらに人が流れているのかもしれません。
 新しい愛好者が増えなければどんどん高齢化がすすみ、やがては衰退に向かいます
。対象者が入れ替わる高校では、これが深刻な問題であることが、前田さんの文章を
読むとよくわかります。太田さんの記事は、この点についての高校生へのインタビュ
ーも踏まえた貴重な資料です。大学でも同じような問題を抱えています。これに対し
て学連では、全国統一のカラー印刷の勧誘ビラを作るなどの対応をしていますが、も
っと組織的な対応が必要でしょう。東海地区では今や継続的かつ自立的に活動してい
る大学は2校にまで減ってしまいました。
 トレイルO、パークOなどの新種目の登場、OCadによる簡単な色刷り地図の
作製技術など、普及にとって好材料が出現したことも確かです。以前にもサンスーシ
のパークOの事例を掲載したことがありますが、パークOは普及への強力な武器です
。身近に・気軽に・安く参加できるというのは普及をはかる上ではもっとも重要な点
ですが、パークOはその基準を十分クリアしています。パークOは確かに本格的なオ
リエンテーリングとは違いますが、ナヴィゲーションという本質的な面では全く同じ
です。むしろミスが少ないので緊張感のあるレースができるし、努力の結果を評価し
やすいという点で、より競技的でさえあります。その反面子どもでも容易にかつ安心
して楽しめるのも大きなメリットです。
 生物には、大きく分けて二つの子孫の残す戦略があります。一つはたくさん生んで
後は自然に任せる方法です。当然成長する前に多くの個体が死にますが、たくさん生
んでいるので、なんとか子孫は残ります。魚はその代表格です。対極にあるのがほ乳
類です。ほ乳類は魚類に比べれば頼りないくらい少数の子孫しか生みません。しかし
少数の子どもを丁寧に育てて、ほとんどが成人(獣)になり、子孫が残ります。スポ
ーツの発展・普及についても同じような二つの戦略を考えることができるでしょう。
マスコミに乗るスポーツ、サッカーや野球などは前者の方法がいいでしょう。しかし
そうでないオリエンテーリングも普及・発展という点で決して悲観することはありま
せん。ほ乳類が種として繁栄しているように、たとえ「生まれた」数は少なくても、
それを大事に育てるという戦略があります。いずれにしろ、普及・発展には非常に手
間と労力がかかるという点は忘れてはならないことです。
 今回は、普及のノウハウについてはあまり触れませんでしたが、皆さんが普及を考
える上でのヒントや参考になれば幸いです。
■若葉台保育園のオリエンテーリング Sophia 倉部 淳 
はじめに、
横浜市立若葉台保育園は、横浜市の北西部、旭区の若葉台団地にある。ここでは、毎
年3月の"お弁当持ち散歩"として、オリエンテーリングを行なっている。私の娘は2歳
からこの保育園に通っているが、お弁当持ち散歩でやったと言って、地図とコントロ
ールカードを持って帰ってきたときに、本当にびっくりした。本レポートでは、若葉
台保育園で行われているオリエンテーリングを紹介する。
保育園の環境
若葉台保育園のある若葉台団地は、横浜市の北西部、旭区の東のはずれにある。東名
横浜ICまでは車で5分ほどである。若葉台団地が造成された地域は、パーマネントコ
ース No.5 の長津田コースの中である。このコースはすでに閉鎖されているが、団地
のはずれの雑木林の中には、未だにポストが1本立っている。若葉台団地の場所を"三
保市民の森"の隣と言った方が、30歳台後半のオリエンティアには分かるかもしれな
い。団地の建設には、自然との共存が図られており、雑木林などが所々に残されてい
る。
イベントの位置付け
お弁当持ち散歩
保育園では、年間3回のお弁当持ち散歩が開かれている。お弁当持ち散歩とは、体力
増強を目的に、お弁当を持って、保育園の周辺を1Km以上歩くものである。オリエン
テーリングは、その一つとして位置づけられ、毎年3月に行われている。このお弁当
持ち散歩が他の2回と異なるのは、他が先生に引率されて回るのに対し、ここでは数
名の幼児だけのチームで、コースを回ることにある。特に、リーダーシップ、チーム
ワークの育成などを重視したイベントになっている。オリエンテーリングは、毎年の
恒例行事になっている。始めた時期、きっかけを知ることができなかった。しかし、
今回インタビュウした先生が赴任された7年前からすでに行われていた。
競技内容
ルール:保育園で行われているオリエンテーリングは、ライン-Oの変形版である。地
図(図1)には、通過すべきルート、コントロールポイントの位置、コントロール記号
が記載されている。通過すべきルートは、コース上の曲がる地点で矢印で進行方向が
書かれている。図1の土筆や蝶などが書かれている場所がコントロールポイントで、
その絵がコントロール記号になっている。今年は、「だんご3兄弟」も登場した。
持ち物:園児には、地図とコントロールカードが両面に印刷された色画用紙が、1人
1枚渡される。地図は、首に掛けられるように、リボンが付けられている。
(地図は絵図的な感じだが、詳細は
http://www.mars.dti.ne.jp/~jun-krb/Orienteering/WakabadaiHoikuen/index.html
をごらんください:編注)
コース:コースは、毎年異なるが、保育園を出発し、近くのグランドにゴールするコ
ースが作られている。今年は、コース通りの距離で1Km強、上り10mといったところで
ある。コースは、団地内の雑木林の残る場所が使われている。コースは、人だけが通
れる道を選んで作られている。
コントロール:コントロールは、道の交点などに作られている。コントロールには、
先生が居て、コントロールカードにスタンプを押している。コントロールについたら
、クイズを出して、正解したら押している。
競技:競技といっても競争ではなく、コースを回ることだけである。チームは、1分
間隔でスタートしていく。子供は、年長者と最年少者、他の歳の子供で手をつないで
歩かせている。
参加者とチーム構成:オリエンテーリングに参加するのは、2歳から6歳までの児童で
ある。4,5人で1チームを作り参加している。チームは、年長クラスの子供が1名と他
の歳の子供で構成している。チームには、必ずたよりになりそうな子供を入れている。
準備
オリエンテーリングの準備には、コースの下見と競技の説明会とがある。
コースの下見を兼ねた散歩:保育園の普段の活動には、団地内の公園に散歩に行くこ
とがある。とくにオリエンテーリングの前には、年長のクラスで、オリエンテーリン
グに使えそうな場所を歩くようにして、"下見"をさせている。コース設定をする場合
も、散歩で通った道から選んでいる。
競技説明会:オリエンテーリングの前日に、競技の説明を行なっている。説明会では
、当日園児に渡す地図を拡大した地図を使って、どこを回るかをイメージを描かせる
ように説明している。オリエンテーリング本来の知らない場所で競技を行なうという
点では、若葉台保育園のオリエンテーリングは異なっている。
役員
役員は、スタート、ゴール、コントロールに配置している。コントロール間は見通し
が利くので、特にパトロールは置いていない。今年は、77名の参加者に対し、11名の
先生で役員を分担していた。
参加者の感想
競技後の感想は、かなりの子供が面白かったと言っている。私の娘(5歳)も面白かっ
たと私や妻に向かって、何度も言っていた。オリエンテーリングの時期になると、ま
た今年もやらないのとせがむ子供もいる。直接オリエンテーリングに関したことでは
ないが、2歳児だけで散歩に行くときには、歩けないなどと保母にオンブをせがむよ
うな子供が出ていくるが、オリエンテーリングの場合には、誰もが完歩するそうであ
る。子供同志で、年長者と年少者とのチームワークがうまく構成されるようである。
残念ながら、親の反応を得られなかった。
謝辞
今回、インタビュウに協力して頂きました若葉台保育園 田中先生に感謝いたします。
■岡崎オリエンテーリング協会における中高生へのPR活動
岡崎オリエンテーリング協会 小野盛光
  岡崎オリエンテーリング協会は1996年に委員会から協会に組織替えし、岡崎市から
独立した形となった。それまでも、市の依託を受け、年2回の大会を開催してきたし
、オリエンテーリング教室も少ない参加者ながら継続してきており、普及活動には力
を入れてきたつもりだった。しかし、参加者は減少傾向であり、もっと市民にも、県
外の方にも幅広く参加しただけるような工夫の必要性をますます感じてきた。そこで
我々は次の点を見直した。
(1)大会の顔である、大会名の見直し
(2)参加者を飽きさせないための新しいテレインの開発
(3)幅広い年齢層に勝つ喜びを分かち合うために適切なクラス分けと表彰制度の設定
"大会名の改称"
  従来、秋の大会を岡崎東公園オリエンテーリング大会、冬の大会を岡崎市民オリエ
ンテーリング大会と呼んでいた。また、両方とも岡崎東公園のマップ(1/15,0
00)を使ってきた。集合場所を変えてたり、初心者クラスは1/7,500を使っ
たり、スコアオリエンテーリングなど競技方式を変えたりして、変化を付けながらや
ってきた。しかし、それだけでは新しい参加者を得るには限度があり、新しいテレイ
ンの開発が必要になってきた。そこで、大会名の改称と新テレインの地図作りが並行
して始まった。
  大会名は開催場所・参加者の居住地や開催時期に制約を加えないで、その時々に合
わせた適切な大会が開け、市の内外の人に抵抗なく受け入れられる大会名することを
狙って検討した。最終的に「第○○回岡崎市オリエンテーリング大会」になった。「
岡崎市」という名前はやや市外の方にはやや抵抗があると思われ、不満が残ったが、
時期、開催地の制約はとれ、まずまずの大会名になった。市から委託された事業のた
め、名称一つ取っても制約があった。しかし現在再度の申入れにより、「OKZAK
I」とか「岡崎」というように変更の内諾はいただいている。
"新テレイン"
オリエンテーリングの基本とも言える"未知の地形"を走る楽しさは初心者にも共通の
喜びである。恒例の大会といえども、いくつかのテレインをローテーションしながら
使っていく運営は必要なことと思っている。しかし、新しいテレインの開発は地元へ
の気遣いなど、大変な仕事であり、つい先延ばしになり易い。我々は思い切って、新
テレインの調査に入った。
新テレインについては平成9年初めから調査に着手し、10年の冬の大会から使用を開
始した。場所は東公園の東に隣接する中央総合公園(野球場・体育館・美術博物館な
どを有する総合公園)とその東側である。ここは以前三河オリエンテーリングクラブ
が「村上遺跡」というマップを作ったところと半分ほど重なる。斜面は急で、走行可
能度も悪い所も多いが、公園や自然歩道を活用でき、バラエティに富んだコースが設
定できる。新鮮さも手伝い、最近は東公園より開催回数が多い。また、岡崎オリエン
テーリング協会外からも利用希望もあり、まずまずの成果があった。
"クラス"
  クラスや表彰も見直した。若年層を引き付ける、魅力的な大会にするためには、表
彰対象になるよう若年クラスの設定が必要である。そこで、M20・W20という若
年者対象のクラスを設定した。A,Bの能力表示をしなかったのは、この地方のレベ
ルがまだ高くなく、能力区分は不要と判断した。更に、高校生以下を対象に「18歳以
下特別表彰」を3位まで実施し、励みにした。A,Bクラスに分けないことによって
、18歳歳以下の人には全てチャンスがある(Nクラスに出ない限り)ということにし
た。もちろんコースも易しめにセットし、N+αの人にも無理のないようにしている。
"呼びかけ"
  ただ、クラスと表彰を設定しただけでは、対象となる人の目に留まらない可能性は
大きいし、仮に目に留まっても行こうという動機付けになり難いと思われる。手紙で
誘うにしても、○○高校殿ではあまりにも対象が広すぎ、学校も処置に困り、ごみ箱
行きの可能性が大きいので、今までもよく参加してくれていた、山岳部・ワンゲル部
・登山部宛てに要綱を送ることにした。今までのこのクラスの参加状況は今年が中学
・高校合わせて、32名の参加があり、最大参加者クラスである(W20は残念ながら0
名)。1年前もM20は34名、W20は4名と盛況だった。更にオリエンテーリングを
楽しんで貰うためには、ある程度の技術が必要なので、今後そういう機会を作って行
きたいと思っている。また、参加校が23校と少なく、去年は参加したが今年は0
という学校が多いのも解決しなけれがいけない課題である。
  今後、更なる進展を図るためには、早い時期(高校側にとっての年度初期)に計画
当方の年間計画を提示し、部の年間計画へ織り込んで貰う事とパークオリエンテーリ
ングなどを活用した、技術向上の場を提供することを来年度からでもしなければいけ
ないと思っている。
"今後の取り組み"
まだ、高校のクラブの先生らとも話をしていない状態である。もっと、彼らの大会開
催時期や内容に対する希望を聞かなければいけないと思っているが、それができてい
ないのが実態である。アンケートでもいいからなにか、コミュニケーションをとって
いきたい。こんな活動をたたき台にしていただき、もっと若者に受け入れられる大会
を提言し、実行していただく一方、情報交換を活発に行って行きたいと思っています。
■インターハイと高校オリエンテーリングの実状
第12回インターハイ実行委員会実行委員長  前田直毅
3月の最終週に第12回インターハイが行われ、団体戦(3人リレー)は混戦の中、最
終走者の逆転で麻布高校が2年ぶり7回目の優勝。個人戦は男女共に本命視されてい
た川上崇史(麻布高校2)渡辺信枝(新宿高校2)が連覇。
 インターハイは今年で12回目になる。選手権と銘打ってはいるものの、普通の大会
と何らかわりない。変わることといえば、中高生の数が少しばかり多いことと彼らの
ためにカップ・盾・メダルなどが用意されていることだろう。現在、中高生が70人以
上の規模で集まるのはこの大会だけになってしまった。70人と聞いて多くの人は「多
い」と感じるのだろうか、それとも「少ない」と感じるのだろうか。おそらく「中高
生オリエンティアはこんなにいたのか」というのが正直なところだろう。確かに普段
の大会で見かける数よりはずっと多いだろう(理由は後述)が、少なくとも我々運営
者の側からすると「少ない」と感じているのが現状だ。「少ない」というより「昔に
比べて目にみえて減ってしまった」というのが本音である。現在積極的に活動してい
る学校は桐朋・麻布を中心とした中高一貫校と県立浦和だけで、他にもクラブの存在
する学校(オリエンテーリング経験者がクラブの顧問をなさっている学校)があるも
のの、活動しているのはやる気のある数名という状況である。かつては強豪だった保
谷・国分寺・川和・早実といった学校クラブもここ数年の間につぶれてしまった。他
には家族オリエンティアが少しだけいる。
 中高生オリエンティアの数が減ってしまった原因はいくつか考えられる。まず、メ
ンバーが入れ替わるサイクルが非常に早いことがあげられる。高校の場合、大学受験
があり、3年生は全く活動できないので2年も経てばメンバーが入れ替わってしまう
。このため、1年でも勧誘活動に失敗すると有力校でも簡単につぶれてしまう危機に
さらされている。活動はクラブ内の雰囲気に左右されるので、人数が少ないと途端に
活動規模が縮小してしまう傾向にある。この傾向は大学クラブにも当てはまると思う
が、高校の場合特に顕著である。また、少人数になった場合、クラブを維持していく
ノウハウに欠けるためか簡単につぶれてしまう。また、勧誘がうまくいっても、ノウ
ハウを1年という短い期間で習得しなければならなく、しかも大学と違ってアドバイ
スをくれるような上級生はいないので、クラブ運営が非常に大変である。他には、オ
リエンテーリングに魅力を感じること無く去ってしまう人間が多いことがあげられる
。大学のサークルでもそうだが、高校の場合は活動期間が短いので特に顕著である。
せっかく勧誘がうまくいったとしても、すぐには上手くなれないのでやめてしまうと
いうことが多い。もっと多くの活動機会や可能性を中高生に示せればオリエンテーリ
ングを続ける可能性は今より格段に挙がるのではないだろうか。
 彼らの活動は月に一度程度のオリエンテーリングと平日の部活動、夏に行われる合
宿が中心で、秋のシーズンでも毎週のように大会に参加する人はほとんどいない。関
東,関西にそれぞれ高校生オリエンテーリング連盟があり、加盟校が持ち回りで練習
会などを開催してはいるのがほとんど唯一のオリエンテーリングの機会である。これ
らの連盟組織は、学連ほどきちんとした組織ではない。私も中学1年の時からオリエ
ンテーリングをやっているが、山に入った回数を比べれば中高6年間より大学の2年
間の方が圧倒的に多い。そんな状況なので、2年間でオリエンテーリングに興味を持
つ人間はやっている人間に対して少ないし、上達する人はもっと少ない。上達する機
会もかぎられている。中高生の山に入る回数が大学以上の人に比べ圧倒的に少ないこ
とは言うまでもないが、オリエンテーリングをきちんと理解し、教えている人間がほ
とんどいないことが理由としてあげられる。高校生に教えている人間は大学で続けて
いるOB・OGだが、彼らは大してうまくないし、教えるのは合宿などの限られた機
会だけである。たいていは上級生が下級生に教える形でレベルアップを図っている。
大学のクラブのように強力なOB会はなく、良いお手本が身近に無いので当然速くな
らない。レベルアップのために年に2回(夏と冬)スコードの援助で合宿が開かれて
いるが、わずかな資金面の援助だけで、現在は高校OL界の現状を知っている数名(
スコードとは関係の無い国沢さん他、高校OL界のOB)によって運営されている。
高校生側にやる気がない(と思われている)と言う理由から現在この合宿は中止が検
討されている。中高生のレベルアップは基礎から教える必要があるため非常に時間が
かかる。そのためスコードから見るとお金をかけた割にはレベルアップをしていない
のが現状だろう。だが、中高生にとっては貴重な体験となっているし、この合宿がな
くなれば高校OL界から速くなる人間はこれから先絶対にでないと思われる。
 速くなりたいのであればもっと大会に出れば良いのではないか、と思うかもしれな
い。だが、彼らにとって毎週のように大会に参加することは非常に難しいことである
。中高生が大会に来ない理由は様々だが、一番の理由は情報が少なすぎることである
。僕が高校のときの情報源といえばO-JAPANに挟まっている要綱だけだった。現在は
O-JAPANが休刊状態のためほとんど大会情報が入ってこない。毎週大会に出ていれば
大会会場で要綱を手に入れることが出来るのだろうが、あまり大会に出ていないので
そう簡単には行かない。要綱が手に入らないので大会に参加できなくなり、ますます
要綱が手に入らないという悪循環に陥ってしまっている。大学に入るとメールやホー
ムページを活用して大会情報は簡単に手に入れられるようになるが、パソコンを使え
ない人やあまりオリエンテーリングに興味を持っていない初心者なども高校生と同じ
ような状況に陥っているのではないだろうか。二番目の理由は大会開催地が遠いこと
にある。東京に住んでいる中高生の感覚では、東京・埼玉・神奈川・千葉で大会が行
なわれれば気軽に参加、それ以上遠いと遠征である。車という移動手段が無いため、
交通の不便なところ、乗り換えの数が多いところ、本数の少ない路線バスに乗らなけ
ればならない時は非常に辛く、どうしても参加がためらわれてしまう。他にも金銭や
時間の面の問題があげられる。高校生の場合、大学生と違い土曜日も含めて毎日のよ
うに授業がある。さらに塾などがあるので時間がない。加えて、アルバイトなどもし
ていないのでお金が無い。
 高い大会参加費もネックである。最近の大会は2000円以上する(高校生以下だと安
くしてくれることが多いので助かっている)が、使用する地図代やその他諸経費を考
えると高いと言える。今年のインターハイの場合、既成マップでの開催だったが、宿
泊料6700円の宿に2泊して参加費15000円(大会参加費だけ見れば2日間で1500円)併
設大会も1500円(当日は2000円)で十分やっていけた。(今年はバスを1台借りたた
めわずかに赤字。)毎週オリエンテーリングをしているような人間から見れば納得の
行く金額かもしれないが、あまり大会に参加しない初心者や中高生から見ると、週末
のちょっとしたレジャーの参加費にしては高すぎる。これでは初心者がオリエンテー
リングから遠ざかってしまう。
 最後に付け加えるならば、表彰式は絶対にやってほしい。確かに即座に成績を確定
させて表彰を行うのは人数の多い大会では大変だが、初心者や中高生にとって表彰さ
れ、景品がもらえればうれしいし、やる気が出るはずだ。ちなみに今回のインターハ
イでは表彰式を14時30分から行なった(トップスタートは11時でラストスタートは
12時少し過ぎだった)が、一般参加者はほとんど残ってくれなかった。自分が表彰に
関係無いとすぐに帰ってしまう大会参加時のマナーの悪さは中高生や初心者のために
改善してほしい。
 現在の中高生のレベルは、トップで公認大会の20Aクラスで10位以内、大学大会の
21Aクラスで20位以内に入れる程度であり、経験が少ない割に高い実力があるように
思う。本人のやる気さえあれば高校のうちにJWOCに出場することはできるだろうし、
実際に大学に進学してすぐにJWOCに行く(行こうとする)人間が多い。競技環境さえ
整えられれば彼らの実力はもっと上がり、今よりも多くの人間が高校OL界から大学の
サークルや地域クラブに加入するだろう。現状では高校で活動している人の80%がや
めていってしまっているのでもったいなさすぎる。環境が整うかどうかは、甘えてい
るようではあるが、周りでサポートして下さる皆さんにかかっているので中高生のこ
とを少しばかり考慮していただければ幸いである。
 最後になりましたが、昨年度中高生のために便宜を図って下さった多摩OLクラブの
方々、毎年中学高校生選手権大会を開いて下さっている埼玉県協会の方々、インター
ハイ関係でお世話になった静岡県協会や静岡大学をはじめとする各大学クラブの方々
、このような報告の場を与えて下さった村越さんには大変感謝いたします。長々と書
かせていただき有り難うございました。読者の皆様、今年度も中高生のために御協力
よろしくお願い致します。
                     
■トレイルO普及活動の状況 (報告)
                                                      日本トレイルO 研究会
    小山太郎
   私たちがトレイルO(Trail Orienteering)を勉強し、日本での普及活動に
協力していただけるメンバー募集のビラを配り始めたのは、昨年の広島での全日本大
会のときでした。 またO-Forum誌上でも呼びかけを行い、結果的には20余名のオリ
エンテイアからの反応を支えとして、9月1日をもって「日本トレイルO 研究会」を
正式に発足させることが出来ました。 その後、トライアルの回を重ねるたびに会員
数は増え、現在では36名のメンバーがそれぞれの立場で普及に努力しています。
  昨年四月以降の普及活動としては「Seeing is Believing」を合
い言葉に、単独大会としてのトライアルを2回、横浜と大阪で開催しました。 この
うちの昨年9月23日の横浜・大池公園での開催は、日本最初のトレイルO 大会であ
ったと自負しています。
 その後、各クラブ大会に併設するスタイルで4回のトライアルあるいは体験コース
の開設が行われています。 「みちの会」、 「ジュニア・チャンピオン大会」 それに
先日の11日、地図・コースともに出来上がっていながら当日の強雨のため残念なが
ら中止となった「入間OLカーニバル」での幻のコースなど、トレイルO は着実にオリ
エンテイアの仲間の間に浸透しつつあるようです。   また、さる3月の全日本大会
の翌日には、隣接テレインを使用しての初めてのトレイルO セミナーも企画していた
だき、30名近い受講者を迎えることができました。
   研究会の会員を対象とした情報誌「NEWS LETTER」の発行(5回)のほか、メンバ
ーの有志が昨夏のドイツでのヨーロッパ選手権大会に参加して実際に体験し、非常に
有効な資料の入手、翻訳、会員への配布などを行っています。 また、この夏、スコ
ットランドでWOCにあわせて開催されるトレイルOの第1回 World CupおよびCl
inicへの役員の派遣も決っています。
   私達が実際に活動を計画して早くも1年が過ぎました。会員をはじめとするオリ
エンテイアの協力と努力のおかげで、「トレイルO 」という言葉も、オリエンテイア
の内に少しずつ浸透しつつあるようで、とても嬉しいことです。
   障害を持つ人たちにオリエンテーリングを楽しんでもらう・・・これが究極のと
いうか、本来のトレイルOのあるべき姿ですが、われわれ研究会としては、そのため
のベース作りを少しずつ始め出すのと平行して、今しばらくはオリエンテイアへの知
識の普及に主力を注ぎたいと考えており、あわせてわれわれ自身の運営スキルの向上
も必要と感じています。そしてそれらも、変に日本的なトレイルO とはせずに、出来
るかぎり国際的にオリジナルな形での知識の普及をめざしたいと望んでいます。その
ためには、機会あるごとのトライアル・体験コースの開催・開設が必要ですが、われわ
れ研究会独自としての活動にはおのずから限度があります。
  そこでこのO-Forumを読まれる皆さんがたのご協力をぜひお願いしたいことが二つ
あります。 ひとつは、 クラブ大会やトレーニング・キャンプ等を計画される時には
、ぜひトレイルO コースの併設も検討して頂きたいのです。  それともう一つ。最近
はパークOが脚光を浴び、公園Mapも数多く作成されていますが、Mapを作られ
るときに、もしそのような余裕が許されるならば、トレイルO にも使用できるMap
であれば・・という"虫の好い"お願いです。 トレイルO の普及の上で大きな役割を
果たすのは、それに適したテレインとMapです。パークOとトレイルO とは意外に
隣り合わせの関係にあるように思います。ご検討の範囲に加えてください。
  日本でトレイルO の普及のスタートが切られたことは、IOFにおいても非常に注
目されています。フットOに比べると、世界のOL先進国においてもまだまだマイナー
なトレイルO ですが、障害を持つ人たちと健常者のオリエンテイアが同じテレインで
、おなじゴールをめざして競う光景が、近い将来我が国でも見ることが出来る日の一
日も早く実現できることを心から希っています。
■ジュニアオリエンティアの現状報告 多摩OL 太田宏樹(E-mail:)
                              A.[背景]
多摩OLでは中・高校生を主対象とした大会JuniorChampionshipsを開いて,
はや16回になる。第一回優勝者が村越真,長田由紀(現姓:高野)であること
からも,最近新設されたインターハイと共に日本のJuniorOrienteerに対して
目標となってきた大会であると自負している。
しかしそんなJC大会でも,先の1月に行なわれた大会ではJWEは3名,W18が消滅し,
W15でも3名というありさま.2-3のクラブを例外に,中・高校生のクラブはどんどん
消えていっている。
しかしながら,現在のTopElite層を考えても,また現在定期的に大量の新人が入ると
いう意味で重要な大学クラブに与える影響(母校東工大では,インカレで万年完走
びりで活動も停滞していたが,経験者の加入により,部員倍増,MEリレー入賞という
激変をとげた)においても,Juniorオリエンティアは日本のオリエンテーリング界の
普及と強化にとって最も重要な存在であると考えます。
 多摩OLでは今後も若いオリエンティアの活動を支援していこうと考えており,現在の
危機的状況を打開するために,その支援方法について大会開催だけでない方法を模索
する必要があると考えています。そのためにまず今回,「JC大会でのアンケート実施」,
「対話会の実施」を行いましたのでその報告を致します。
この報告が今後の日本OL界としての活動の一助となることを期待しています。
                   B.[16th JC大会でのアンケート]
実施日:99.01.24 JC 有効回答30名
[Personal data]
1.コースJME:10人,JWE:2人,M18:8人 M15:6人,M12:4人,JN1人,無回答:1人
2.所属:高校9人,中学12人,地域クラブ4人,その他クラブ2人,無所属3人
[Training]
3.年に参加する大会数は7回以上が70%だが,練習会は65%が3回以内.
4.月走行距離平均35km(range:0-100km)
5.WorldCup開催を知っているのは20%, 世界選手権準備は10%だが
チャンスがあれば出たいには70%
[OL-technique]
6.JCで地図->現地イメージが出来る人50%,現地->地図は60%,正置70%,
コンパス直進90%,常にルートプランを立てる40%
JCのコースでルートプランにかかる秒数34秒 
7.走りながらの直進60%,エイミングオフ50%(用語知らないが40%),
歩測70%,走りながら地図読み50%,
[Club]
8.外部の練習会合宿参加希望あり37%
9.ありの中で多摩OLが企画したら参加したい70%
10.希望内容は技術指導83%, 走力指導8%, レク8%
11.地域クラブへ入りたい14%
[JCcourse]
12.コース:難しい22%, 普通20%,易しい58%
13.コース:面白い41%, 普通48%,つまらない11%
14.ミスタイム平均11分
15.JCは:選手権14%, セレクション10%, (左記以外の)特別な大会17%,
普通の大会55%
                         C.[JC大会後の対話会にて]
参加者(敬称略):
前田(IH実行委員長),纓坂(高連幹事長),佐藤(高連広報部),高久(麻布部長),柳澤,川
上,他
1.OS会(主に大学1-2年のOBらによるインターハイ運営などの援助組織)の現状:
高校での経験者かつ大学1-2年で現在10人程度であり減少傾向にある.早大・東大・ト
ータス等から資材や人材協力がありIH運営をしている.
2.高校生連盟の現状:
現在関東のみに高校生の連盟があり(OL部は関西にも存在する)メンバーは50人程度,
これも減少傾向にある.
3.現在加盟は麻布,桐朋,浦和,東京高専,農大三,永山,水戸第二,宝仙などである.
4.練習会開催の現状:
練習会は定例会が年に5回ほどあり,参加人数は30人程度.この運営は単独クラブで行
うが最近は麻布・桐朋の2校しか行っていない(できない).
5.合宿開催の現状:
合宿は年1-2回の高連の合同合宿と自分のクラブの合宿があり,SQUADジュニア合宿に
10-15人参加している.
6.現在のレベル:
現在のTopレベルはM20Aで10位程度.20Aで真ん中から下位が大多数を占める.
7.高校生が望む支援:
支援して欲しいことは,近場で(主に財政的理由による)の技術練習会.
場所的には,北は越生、西は厚木、東は君津といったところが限界。
8.例えば筑波大大会とかはテレインがいいとか知っているが,財政的に遠征できない.
だから車で遠征に連れていってくれると非常に嬉しい.
9.高連の機関紙は月1回発行,もし練習会を開いて頂けるのならここで広報するのも
良い.外部の定期購読が可能。