ISSOMにおける横断禁止【長文】

尾上@サン・スーシです。

マルチポストご容赦下さい。

1月29日の「かながわO大会」に多数参加いただきありがとうございました。
サン・スーシが新たに開発したテレインを、ISSOM準拠の地図に仕上げて
パークO・トレイルO・キッズOをお楽しみいただいたわけですが、ISSOM
に関わる事項で、皆さんと情報を共有した方が良いと思われることがあります
のでご報告いたします。

ISSOMは市街地でのスプリント競技を意識し、ISOMとは異なる地図表
記を定義しているのですが(詳細仕様は以下を参照)、競技上での制約事項も
http://lazarus.elte.hu/mc/issom/05-march.pdf
新たに定義されています。

それは、「通行(横断)不可」と「通行(横断)禁止」の違いです。

通常のオリエンテーリング(ISOM)では、崖やDやぶなどで通れない所を
impassable(通行不可)、uncrossable(横断不可)
という言葉で表し、競技者に対してそこを通行することは危険あるいはレース
において非常に不利であることを示しています。但しこれは禁止というわけで
はなく、競技者がそこを横切ったとしても即失格というわけではないために、
現地でその場所が通れると判断した競技者は通ることもありました。
※本当に通行を禁止する場所はいわゆる「立入禁止区域」として表します。

市街地でのスプリント競技では、通行の可否を競技者の判断に任せると(特に
崖の飛び降りなどで)危険な場所が多く、「通行(横断)禁止」という表記を
定義し、そこを通過すると「失格」というルールになっています。つまり物理
的に競技者が通れると思うかどうかとは別に、「とにかく通ってはいけない」
場所が定義されたのです。

今回の大会では、
1)本当に立ち入ると危険な場所
2)公園側から入って欲しくないと明示的に要請された場所
3)我々が自主的に入らないようにしようと思った場所
などを守るために、ISSOMに従って「通行(横断)禁止」の表記で地図を
作成しました。クラブ内の試走会などではそのことを周知して行ったので何も
問題はなかったのですが、今回は不特定多数の人が参加するので、さまざまな
準備をしたのですが、残念ながら、何人かの人が禁止事項を守ってくれません
でした。

我々の取った対策は、
1)地図は「横断禁止の柵」や「横断禁止の崖」をくまなく使用して明示した。
2)これらの横断禁止の記号に関してはプログラムの最初に大きく明記した。
3)上記だけでは不十分と判断し、主要な部分には従来の表記(パープルの
  ハッチ)で立入禁止エリアとして分かりやすく示した。
4)さらに現地にも、立入禁止や通行禁止の看板を多数設置し、立入禁止の
  青黄テープを、延べ数100m設置した。
5)初心者説明でもその旨を中心に説明した。

それで結果は
1)通行禁止の柵のある道のヘアピン部分(明らかにショートカットできれ
  ば早く物理的には乗り越えられる)を横後ってしまった人が少なからず
  いた。
   →ここは早朝の試走時にもこの地図表記に精通していなかった試走者
    が横切っており、追加でテープを張ろうかと迷ったところだったが、
    ここは横断禁止の表記だけでなく、その細いエリアが敷地(立入禁
    止)の色で塗りつぶされている場所でもあるので大丈夫と判断
2)別の場所で同様に地図表記に気づかず、通常のオリエンテーリングのよ
  うに斜面を登っていってしまった人がいた。
の2点でした。(私が聞いて知っている範囲では)

他は青黄テープもありほぼ正しく守られたと思います。(むしろ青黄テープ
の切れ目に気づかず、大回りした人もいたようである)
1)の部分は気づいていただけにテープを張っておけば良かったと悔やまれ
ます。

分析してみると、
1)初心者は、元よりそういうところを横断しようと思わない人が多いのと
  初心者説明を受けた人は問題なく守ってくれている
2)ISSOMの横断禁止の地図表記は、それを何度か経験している、ごく
  一部のランナー以外には浸透していない。
3)ISSOMを経験している人でも、過去のレースにおいてはその記号を
  見て通らなかったのではなく、物理的に本当に通れない、あるいは通る
  と損だということで通らなかっただけで、通れる場所も通ってはいけな
  いというところまで理解されていなかったことも想像される。

結論として、
地図に横断禁止の表記で書いた場所でも、物理的に通れるところはすべてテ
ープなどで「現地に」明示する必要があるということだと思います。オリエ
ンティアは概して現地を見て行動するということを念頭においておかないと
いけないということでしょう。表記への理解が浸透してくれば、解決するの
かもしれませんが。

長くなりましたが、ISSOMの地図を使って大会を開催される場合の参考
にして下さい。

ISSOMに関しては、昨年秋に兵庫と千葉で講習会が開催されています。
今後も開催されると思いますので、関心のある方は是非参加して下さい。
この講習会に関係された方からのコメントをお願いします。