やってみる?オリエンテーリング ~基本の基本(やり方・ルール)~


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基本の基本(オリエンテーリングのやりかた・ルールの紹介)

[大会の様子]まずは大会の雰囲気をどうぞ。大会のスタートからゴールまでの写真を拾ってみました。木漏れ日がキラキラしていたり、すがすがしい空気があり、自然を満喫できます。これは本格的な森の中のものですが、都市の公園などでも開催されています。

スタート(*1) 給水所(*1) リレーのスタート
森の中(*1)
(*1)の付いているのはスイスで開催された2003年の世界選手権のDVDから引用しました。リレーの写真は愛知で開催された2005年の世界選手権のものです。
ゴール(*1)

[略語]オリエンテーリング(orienteering)という言葉は長いので、以下ではOあるいはOL(ドイツ語のOrienterungs Lauf(方向を定めて走る))と略します。

[やりかた・ルール]沢山種類がありますが、もっとも普通に行われているポイント・オリエンテーリング(以下ポイントO)について説明します。ポイントOは時差スタートで、ゴールまでの時間を競います。時差スタートとは、参加者が同時にはスタートせず、異なる時刻にスタートする方式です。自分のスタート時刻になったらピッ・ピッ・ピッ・ピーというような音でスタートします。初めての時は、とってもドキドキしますよ。

スタートからゴールまでの流れ:以下のように枠に区切られていて、3分前に枠に入り、以後1分毎に前の枠に移動します。通常、スタート時点あるいは1分前に地図を受け取ります。スタートの典型的なふたつの形式を下に示しますが、日本では殆どの場合、左側です。

地図の中にあるは、スタート地点から誘導にしたがって移動した先にあり、スタート地点からは見えないところにあります。にはフラッグがありますが、パンチ等(後記)はありません。誘導は、木の枝などにカラーのテープを数mおきに付ける事で行われます。の次に向かうのは、のある地点(コントロール・ポイントと云います)で1から順番に回ります。そして最後にがゴールです。地図上のをつなぐ線は、順番をわかりやすくするものであり、その直線の上を移動せよという意味ではありません(*1)どういう経路で移動するかは参加者の責任で、ここがOLの面白いところであす。
   *1:一部に誘導ルートの場合もありますが、それについては「地図と使い方」で説明します。

右は左の地図の部分拡大図で、
スタートと1番、10番の
コントロール・ポイント、
そしてゴールが出ています。

全体の拡大図はこちら

通過証明:にはフラッグがあり、通過証明の記録をとってきます。通過証明の方法は大会毎に決められています。古典的なのは紙のカード(コントロール・カード)を使う方法で、1番のではカードの1番の枠にホチキスのようなものでパンチします。パンチをすると記号の形に針の穴があきます。

コントロールカード 参加者の持つSIの器具
(普通、手の外側につけます)
参加者の持つEMITの器具
(普通、手の内側につけます)
パンチとフラッグ
のあるコントロ-ル
(ol-fachschrift.ch 2003/7より)
赤丸で囲った部分がパンチ
SI、パンチとフラッグ
のあるコントロ-ル
(skogssport 2003/6より)
赤丸で囲った部分がSI
EMITとフラッグ
のあるコントロ-ル
赤丸で囲った部分がEMIT

最近は電子パンチが使われることが多くなっています。電子パンチとしては、EMITというフィンランド製のものと、SI(SportsIdent)というスウェーデン製のものがあります。どちらの場合も、参加者はカードの替わりに記録用の器具を指にはめます(右利きの場合は、右中指か薬指につけるのが一般的です)。そしてEMITの場合は、フラッグのところにある装置にはめ、SIの場合は装置にあいている穴に差込みます。これで参加者の持っている器具に時間などが記録されます。これらの電子パンチを使う場合は、会場/スタート/ゴールでも、記録/古い記録の消去/稼動の確認のために、機器にはめたり差したりする必要がありますが、大会によって一律ではないので、これについては大会のプログラムで確認してください。

正しい場所かの確認:さて、実際の手順としては逆になりますが、パンチをする前にやることがあります。自分が正しいに来たのかの確認です。OLでは年齢・性別などにより複数のコースが設定されており、同じコントロールが、あるコースでは5番目であり、あるコースでは8番目だったりします。このような使い方に対応するため、コントロールには回る順番を示す番号はついておらず、別の番号が表示されています。この番号はその日のコントロール全体で唯一無二になっています。

下図は、先ほどの地図の地図内の右部分にある「位置説明」の一部です。いろんな情報がのっていますが、ここでは縦に並ぶ左2列に注目しましょう。最左の列はコントロールを回る順番、そして2列目がコントロールについている番号です。この例で言えば、1番コントロールに到着した時に、番号が65なら正しい場所なのでパンチしても良いということになります。下右の写真のコントロールは左の「位置説明」の1から4のどれでもない事になります。

[やってはいけない]

  • 人家の敷地や田畑は立入禁止です。また、そういう場所でなくても地図上で立入禁止と表記されているところには入らないようにしましょう。人の土地を使わせてもらっているのです。
  • ゴミを捨てたりしないようにしましょう。地元の人と気持ちよくつきあえる関係にしましょう。
  • 途中で棄権する場合に、大会主催者に連絡せずに帰るのはやめてください。ゴールが確認できない人は行方不明者と扱われ、捜索されます。

[やってもいいけど]禁止事項ではないけれど後悔します

  • 「この地図間違ってる!」と思うこと:コントロールが見つからない、現在地が判らない時におもいがちです。地図には絶対間違いはないとは言いません。けれど、まず間違っているのは自分です、冷静になりましょう。
  • 「人が見ている。颯爽と走ろう!」と思うこと:OLは基本的に人の目がないところでするスポーツ。けれど、特にリレーでは会場近くにビジュアル・ゾーン(和製英語のようです。spectators zone)があったりします。こういう時、やりがちなのがこれ。パンチし忘れて走る人がしばしば。今まで、どれだけのリレー・チームが失格してきたことか。スタートもそう、とりあえず人の目がなくなるまでとか思って走ると、現在地不明になったりします。

[次に]これでOLの基本の基本を説明しました。どうでしょう?ちょっと面倒くさいなと思うかもしれませんが、一度実際にやってみれば、すぐに覚えられるものです。心配はいりません。でも、これだけではOLは出来ませんね。そう地図をどう読み、どうやってからへ、更に次のへ移動するのかなどが判りません。この部分については次の地図と使い方で説明します。

また、スタート以前の事で説明していない部分があるので補足しておきます。会場とスタート地点とは離れていて、スタート地点は事前には公開されていません。会場からスタートへ行く場合も、スタート地点からまでの移動で説明した誘導テープが使われます。最寄り駅から会場への案内も同様です。このように誘導テープは多用途で使われるので、区別するために色分けされます。どこにどの色を使うかについては、各大会のプログラムで確認してください。

詳しい知識はこちら


[豆知識]

  • オリエンテーリングの種類:国際オリエンテーリング連盟が正式に決めている種類はフットOの他に、マウンテンバイクO(MTB-O)、スキーO(SKI-O)、トレイルOの4種類です。スキーOはクロスカントリースキーで行います。トレイルOは、走力を競わず、地図読みのみを競うもので、もともと身体障碍者のために考案されたものです。ここで説明していないフットO以外の種類についてはメニュー「リンク」のところに専門のWEBサイトがリンクしてあります。
  • リレー:個人個人についてはポイントOとなります。そして時差スタートでなく、同時スタートです。それでは走力だけを競うことになるのではないかと思うでしょう。チーム全員で走るコースが同じになれば良いという考えで、コースがA,B,Cの3種類あったとして、あるチームはA->B->C、あるチームはB->C->Aの順に走るというような仕組みにします。どのチームがどの順番で走るのかは公開されないので、単なる走力の争いにはなりません。
  • スコアO:ポイントOと異なり、回る順番は決められておらず、各コントロールには点数が割り当てられています。同時スタートで制限時間内にどれだけの点数を取れるかを競います。時間オーバーについては、減点や失格となります。近いものとしてビンゴOなんてのもあります。その名のとおり1列完成したらゴールできるなど、より偶然性の高いゲーム的な方法です。
  • テレイン:オリエンテーリングをやる場所のこと。昔はゲレンデと言っていました。
  • 当日参加、当日申込:オリエンテーリングでは殆どの大会で、事前申込みなしでも参加できます。ただし参加費は高くなりますし、表彰対象外になったり、参加したいクラスの地図が切れてしまうこともあります。当日申込みが可能かは要項で確認しておきましょう。
  • パーマネントコース(PC):大会のコースは終了後、撤去されてしまいます。これに対して、いつでも使えるように設定されているのがパーマネントコースです。いつでも使えるという事は裏返すと、地図が最新状況を反映していない可能性もあるという事です。
    パーマネントコースについては、パーマネントコース常設コースの案内を参考にしてください。

  • オリエンテーリングに類似のスポーツ:オリエンテーリングの場合、長い種目でも優勝者の想定タイムが90分ですが、より広い地域を使い、24時間などの長い制限時間でチームで行うスコアO方式のものをロゲイニングといいます。組織面ではオリエンテーリングと別に分かれています。アドベンチャーゲームの一部でもポイントOが行われます。ラリーとか、ヨット、ハンググライダーのクロスカントリーも近いスポーツと言えるでしょう。ARDFといいアマチュア無線の発信機を予め設置しておき、アンテナと受信を持って、場所を調べる競技もあります。
  • ロゲイニング(ロゲイン):大型のスコアOという感じのスポーツです。本来のロゲイニングは24時間というような長時間で行われますが、日本では2010年初め時点では最長で12時間です。本来のロゲイニングは山中での怪我などへの対応を考えてチームで行います。日本で行われる時間が短く狭い地域で行われるものでは個人で参加できるものが多くなっています。3-6時間程度で、厳密な競技とはせず、写真で通過証明にしたり、更にはゴールタイムを自主申告にするなど、気楽に楽しむのが人気を呼びつつあります。
  • 危険について:主に足場の良くない自然の中で行うスポーツなので危険があるのではないかと思うでしょう。実際、すり傷、切り傷などは良くあります。しかし意外と大きな怪我は少ないものです。皆が危ないと思って注意するからでしょう。地図は良く見ないといけないですが、周りもみないと枝や倒木などにぶつかります、周りに注意しましょう。熊、猪が出没しているのがはっきりしている場合は大会は普通中止になるでしょう。一番注意すべきは蜂です。黒い服は着ないほうが良いかもしれません。
  • O-MAPはどう作るのか:国土地理院や行政の持っている地図をベースにしてオリエンテーリングクラブなどが作ります。ポイントの位置確定には最近はGPSを使います。どんなGPSかというと腕時計に付いているものや、携帯用のものと違って、背負って歩く大きなもので精度が違います。TrimbleGPSというそうです。国土地理院や行政の持っている地図は、一般に地面の細かい等高線は描けていない(航空写真や衛星写真では樹木の上の面しか得られないので等高線は甘くなります)ので、ここは人手で調べます。そして作画がO-MAP用のソフト「OCAD」で行います。O-MAPに特化したソフトなので、特有の記号が簡単に描けます。また等高線に必要な自由曲線が楽に描けるのに、パソコンの負荷が低いソフトです。

はじめに すごい世界の大会 こんな場所でもやる 基本の基本 地図と使い方 道具 こども トップ選手 おまけ

さあ、地図を片手に自由に走ろう