暑いですね。毎日、走らない時でもたくさん水分を飲んでます。
最近は水分を失ったときは、水だけでなく塩分もしっかり補給しないといけなという事で、経口補水液(Oral Rehydration Solution:ORS)が良いという話(*1)です。
WHOの基準からみると、市販のスポーツドリンクではナトリウムが少ないにもかかわらず、糖分は多いとの事。(*1)で参考にした文書中の表2個を合体させて、更にスポーツドリンクの種類を増やした表を作ってみました。
リットル当たりmEq | ブドウ糖 濃度 |
浸透圧 | 100mlあたりKcal,g,mg,mg | その他 | |||||||
Na | K | Cl | カロリー | 糖質 | Na | K | |||||
基準 | WHO-ORS(2002) | 75 | 20 | 65 | 75 | 245 | 171 | 79 | |||
市販 経口補水液 |
アクアライトORS(和光堂) | 35 | 20 | 30 | 100 | 200 | 16 | 1.8 | 80 | 79 | |
OS-1(大塚製薬) | 50 | 20 | 50 | 100 | 270 | 10 | 1.8 | 115 | 78 | ||
アクアサポート(明治) | 252 | 9 | 2.3 | 115 | 78 | ||||||
市販 スポーツ 飲料 |
ポカリスエット(大塚製薬) | 21.3 | 5 | 16 | 372 | 286 | 27 | 6.7 | 49 | 20 | |
エネルゲン(大塚製薬) | 21.3 | 5 | 24 | 5.5 | 49 | 20 | |||||
アミノバリュー(大塚製薬) | 21.3 | 5 | 18 | 0 | 49 | 20 | BCAA、クエン酸 | ||||
アクエリアス(コカ・コーラ) | 11 | 2 | 278 | 19 | 5 | 34 | 8 | ||||
ゲータレードRUN(サントリー) | 25 | 6.3 | 51 | 18 | リン | ||||||
ダカラFreshStart(サントリー) | 17 | 4.2 | 0 | 47.7 | |||||||
GREEN+DA・KA・RA(サントリー) | 17 | 4.4 | 40 | 11 | アミノ酸、クエン酸 | ||||||
アミノサプリC(キリン) | 16 | 4 | 23 | 2 | ビタミンC、オルニチン | ||||||
アミノサプリ(キリン) | 9 | 2 | 55 | 0 | BCAA | ||||||
LovesSports(キリン) | 16 | 4 | 44 | 6 | クエン酸、アルギニン |
これでみると、市販のスポーツドリンクもいくつかのグループに分けられるようです。(A)古典的なスポーツドリンク:ポカリスエット、エネルゲン、ゲータレード(RUN)ナトリウムはそこそこ入っているが糖分多め。(B)アミノ系:アミノバリュー、GREEN+DA・KA・RA、アミノサプリ、LovesSportsナトリウムは(A)と同等だが糖分は控えめでBCAAなどが入っている。(C)ナトリウム少なめ系:アクエリアス、ダカラFreshStart、アミノサプリC。ダカラFreshStartは非常に特徴的でナトリウムZEROで、カリウムは他にない多さです。ま、この中では(B)グループが良いのでしょうね。
ORSは基本的に医療向けという位置づけのせいか値段が高めです。自分でWHO-ORSと同等の内容を作るなら「水1リットルに対して、ブドウ糖 20g、塩化ナトリウム(食塩)3.5g、炭酸水素ナトリウム(重曹)2.5g、塩化カリウム1.5gの割合で溶解したもの。」だそうです(WikiPedia)。という事は、アミノバリュー1リットルに食塩を加えて、WHO-ORSと同等のナトリウム濃度にするには、食塩は2.5g(=3.5g*(171-49)/171)になります。たぶん塩辛すぎのはずですが。
(2012-7-20追記)
・昨晩、実際にナトリウム濃度をWHO-ORSと同じにしたら、どんな味なのか?試してみました。近くのスーパーで売っていたGREEN+DA・KA・RAの500mlに食塩を約2.5g溶かして飲んでみると...意外、そんなに塩辛く感じませんでした。確かに塩味がもとより濃いのは確かですが、予想していたような、飲めない!という感じはありませんでした。
色々書いてみたけれど、実は自分でよく判ってないことなどを補足します。
・「経口補水」に対することばとしては「点滴」ですね。脱水したら生理的食塩水を点滴するというのが医療での元々のやり方。これに対して(*1)の文書に書いてあるように、小腸から糖分とナトリウムを吸収する時に一緒に水分が吸収されやすいという事が判って、大腸でなく小腸なら早く吸収されるので良いということで、経口補水の考え方がとられるようになったようです。ここで疑問、
.....アミノバリューは糖分がZERO、だとすると小腸では吸収されにくい?
.....スポーツ中の水分吸収は大腸でできれば充分なの?
.....そもそも成分表のカロリーや糖分とは何を計ってるのだろう?
==>タンパクと糖質は4kcal/g、脂質は9kcal/gから全体のカロリーを計算
・(*1)の文書によると、水分の吸収のしやすさは、適切な「糖分とナトリウム」の濃度だけでなく、浸透圧も重要とされています。そのため、WHO-ORSも当初の1975年版と現在の2002年版を比較すると、浸透圧は311から245(mOsm/l)に下がっています。これに対して、アクアライトORSは低めの200、OS-1は高めの270なので、アクアライトのほうが吸収されやすいようです。
.....で、他のスポーツドリンクですが、数値が判りません。一般的にはいろんな成分が沢山溶けているほうが高いので、そういう点からみてアミノ系はあまり吸収性は良くないかもしれませんね。簡単に計る方法もなさそう。誰か詳しい方は教えてください。
(2012-7-24)アクアサポート追加